オイルステインとは
オイルステインとは、木材に染み込むことによって着色される「ステイン塗料」の一種です。
このステイン塗料には、水ベースで作られる水性のものと、オイルベースで作られるもの油性のものがあります。オイルステインは名前の通り、油分をベースに作られている塗料です。
オイルステインは油性ならではのツヤ感や木目の輝きが出ることがメリットである一方で、匂いの強さや、後処理のしにくさなどがデメリットとして挙げられます。
オイルステインの使用用途
オイルステインは、屋内外の木製製品の塗装に使われています。着色しながら木目を残した場合は、オイルステインを選択する必要があります。
さらに、オイルステインを塗布することによって、塗布した木材に深いツヤなどが出るため、屋外であればウッドデッキ、屋内であれば無垢材のフローリングや木製家具の仕上げにも広く使用されています。DIYとして使用されることも多い塗料です。
オイルステインの原理
オイルステインは、塗膜形成成分、添加剤、溶剤、顔料・染料で構成されています。いわゆるペンキのような一般的なペイント材は「造膜系塗料」に分類され、塗布された材料の表面に膜を形成します。オイルステインは材料の表面に膜を形成しません。オイルステインは木材に浸透することによって、木材が持つ木目を残しながら、着色することができます。
ただし、表面に膜を形成していない分、木材の保護機能は強くありません。オイルステインの成分は、塗膜形成成分、添加剤、溶剤、顔料・染料で構成されています。
塗膜形成成分は樹脂です。具体的にはアクリルやウレタン、さらに天然油としてヒマワリ油、亜麻仁油、ひまし油などが含まれています。溶剤はエタノールやテレピン油などで、目的は塗料の流動性を調整することです。添加剤として、顔料分散剤、防かび剤などが含まれています。
オイルステインの種類
オイルステインには、種類がいくつかあります。従来の一般的なオイルステインは、木材を着色するというためだけの塗料で、余分な成分は入っていませんでした。しかし、最近は仕上げ材であるニスを含んだニス入りのオイルステインや、オイルステインに防虫剤や防腐剤を含んだものも販売されています。
1. ニス入りのオイルステイン
ニス入りのオイルステインは、作業の省略を目的にした製品です。一般的なオイルステインでは、木材を保護する目的で仕上げにニスを塗る必要がありました。しかし、ニス入りのオイルステインでは、ニス塗り作業は不要です。
しかし、着色の際、ムラになりやすく取り扱いが難しいことがデメリットとして挙げられます。そのため、初心者はニスなしを選んだ方が無難です。
2. 殺虫剤や防腐剤を含んだオイルステイン
防虫剤や防腐剤を含んだオイルステインは、屋外で使用する際に木材の保護、耐久性向上を目的にした塗料です。主にウッドデッキなどの、エクステリア製品に使用されています。ただし、発色が悪いというデメリットもあります。塗布する対象物の使用場所によって、塗料を使い分けることが大切です。
オイルステインのその他情報
オイルステインの塗り方
オイルステインは塗布する木材に浸透して着色するため、下地処理が大切です。また、ニス入りのオイルステイン以外の場合は、仕上げ材の塗布も必要となります。基本的な塗布手順は以下の通りです。
まず、オイルステインを塗布する前に、塗布面の木材をやすりを使って整えます。オイルステインは木材に浸透しますが、塗布する表面にごみや油分が付着していると、オイルステインが染み込みにくく、色むらの原因になってしまうためです。
具体的には、最初に#240程度のサンドペーパーを使い、次に#400程度のサンドペーパーで仕上げます。あまり細かいサンドペーパーで仕上げると、表面が滑らかになり過ぎ、オイルステインが浸透しにくくなってしまいます。次に、木材に付着した木屑を丁寧に除去します。布や紙などで拭くのがおすすめです。
以上の前処理を行なってから、オイルステインを塗布します。塗布する際はオイルステインをよく撹拌し、必要に応じて薄め液で粘度を調整しましょう。オイルステインを塗布したら、ウエスで拭き取ります。この作業はオイルステインを木材へ擦り込むために必要となる工程です。最後に仕上げ材を塗布します。仕上げ材として、ニスやワックスなどが販売されています。