LTOドライブ

LTOドライブとは

LTOドライブとは、データストレージ用途に設計された磁気テープの読み書き装置です。

LTOはLinear Tape-Openの略であり、ストレージ用の磁気テープを指します。LTOテープは非常に高いデータ容量を有し、最新機種では最大18TBの容量を提供します。コストパフォーマンスが非常に優れており、大量のデータを安価に長期的に保存可能です。

また、LTOテープは長期間の保存に耐える点も特徴のひとつです。LTOドライブで正しく保存すれば数十年にわたってデータを保持できるため、アーカイブ用途に適しています。

LTOドライブの使用用途

LTOドライブは以下のような用途で使用されます。

1. メディア・エンタメ

メディア業界では大容量の映像や音声データ及び編集ファイルなどを効率的に保存するためにLTOドライブが使用されます。映像データはデータ量が膨大であるため、高速かつ大容量のストレージが必要です。LTOテープは長期間のアーカイブにも耐えられるため、過去の作品や映像データの保管に最適です。

2. 金融

金融業界では顧客データや取引履歴を、規制に基づいてデータ保存する必要があります。LTOドライブは安価で容量も大きいデータストレージであるため、コンプライアンス要件に基づいた長期的なデータ保存を実現することが可能です。一般的にはテープによるバックアップだけでなく、サーバー・クラウドストレージと併用されることが多いです。

3. 政府・公共機関

政府機関においては、法的な文書や規制に基づくデータを長期間保存する必要があります。LTOドライブはこうした重要データを保存するために使用されることが多いです。災害復旧やセキュリティの観点から、LTOテープはバックアップの一環として使用されます。

LTOドライブの原理

LTOテープは磁性体がコーティングされた長いテープです。通常はカートリッジ内に収められており、テープドライブに挿入して使用します。テープの表面には細かい磁気パターンが刻まれており、これによってデータを保持する仕組みです。

LTOドライブには読み書き用のヘッドがあり、これらがテープと接触してデータを記録したり、既存のデータを読み取ったりします。書き込み時にはテープ上に電磁的な信号を送ることでデータを記録します。読み取り時はテープ上の磁気パターンを感知し、その情報をデジタル信号に変換します。

また、LTOはリニアレコーディングを採用しています。この方式では、テープの幅全体にわたって一方向かつ直線的にデータを書き込むため、効率的に記録することが可能です。データはテープ上の直線トラックに並べられており、複数のトラックを使って並列にデータを書き込むことができます。

LTOドライブには、データの整合性を維持するためのエラーチェック機能が備わっていることが多いです。データがテープに書き込む際にエラーが発生すると、自動的にエラー訂正を試みることで信頼性を高めます。また、データの再読み取り機能も備えており、問題が発生した場合でもデータの損失を最小限に抑えます。

LTOドライブの選び方

LTOドライブを選ぶ際は、以下を考慮することが重要です。

1. 物理容量

物理容量についてはドライブの世代や保存データの規模を考慮する必要があります。LTOドライブの容量は世代ごとに異なり、LTO-9では非圧縮で最大18TB、圧縮後最大36TBの容量を有します。大規模なデータバックアップが必要な場合、高容量のドライブを選ぶことが重要です。

2. データ転送速度

LTOドライブのデータ転送速度は、LTO-9では最大400MB/sとなっており、世代によって異なります。転送速度が速いほど、大量のデータを短時間でバックアップすることが可能です。バックアップの頻度が高く、時間的な制約がある場合には、高速な転送速度のドライブを選ぶと効率的です。

3. ホストインターフェイス

LTOドライブは製品に応じて様々なインターフェイスをサポートしており、選定時にはシステムに最適な製品を選ぶことが重要です。代表的なインターフェイスにはSASやFibre Channel、iSCSIがあります。

SASは多くのLTOドライブで標準的に使用されており、高速かつ安定した転送速度が特徴です。Fibre Channelは大規模なデータセンターで使用され、高速転送が可能です。iSCSIは低コストで導入可能で、遠隔地でのデータアクセスや小規模な環境に最適です。