健診システム

健診システムとは

健診システムとは、健康診断業務を効率化・省力化するシステム製品全般を指します。

予約管理、受付登録などの窓口業務から、検査機器や電子カルテとデータ連携した健診業務、報告書・帳票出力、会計業務などを一括して処理することができます。従来のペーパーベースの業務よりも運営負担も軽減され、スムーズな運営を行うことが可能です。健康診断の他にも、予防接種、保健指導面接などにも対応しています。

健診システムの使用用途

健診システムは、クリニック、診療所、病院、健診センターなど、健康診断を行う検査機関などで使用されるシステムです。

健康診断は、従業員に健康診断を受けさせる義務を負っている企業や、自治体の集団健診など、様々なシーンで行われており、病院や健診センターへ委託されています。健診機関は、様々な団体を受け入れ、多数の受診者の健診を行う場合が多いため、健診システムを導入することで、省力化やヒューマンエラー防止の効果が期待されます。また、健康診断を検査機関へ依頼する企業側で使用されているシステムもあります。

健診システムは、通常の健康診断以外にも活用が可能で、主な用途には下記のようなものがあります。下記のうち、特殊健康診断とは、特定の業務に従事する従業員に義務付けられている健診で、業務ごとに数百種類もの種類があります。

  • 定期健診
  • 人間ドック
  • 特殊健康診断
  • 生活習慣病健診
  • 予防接種
  • 保健指導や面接

健診システムの原理

健診システムの主な機能には下記のようなものがあります。

  • 受付: 予約管理/受診者情報の管理
  • 問診の受付
  • 健診の実施
  • 結果の入力: 自動判定や医師判定の入力
  • 報告書の出力データ出力
  • 企業や健保への請求書発行
  • 精密検査対象者のフォロー

健診業務の受付から受診後のフォローまでを一括して処理することができます。システムによっては、電子カルテや検査オーダー・結果、医療画像管理 (PACS) と連携することも可能です。会計処理では、受診者ごとや受付団体ごとに、請求・入金管理、請求書発行・領収書発行まで一元管理することができます。健診システムは、従来の紙ベースの業務に比べて、効率化、省力化に有効です。

健診システムの種類

健診システムは、様々な製品があります。機能面や、システム運営を行うサーバーの仕組みなど複数の観点で区分分けすることができ、様々な製品があります。

1. 機能面

機能面では、受診者数によって大きくシステムが異なります。受診者数の少ない中小施設を対象に作られたシステムでは、概ね機能がコンパクトになっており、コストが抑えられています。オプションは少なく、受付、検査結果入力、報告書作成、会計などの基本機能が中心です。反面、端末の利用が簡便になっており、初期設定が簡略化されていたり、操作方法の説明が詳しい場合も多いです。

一方、大規模な病院や健診センターを主に想定した製品では、多数の受診者を処理することができるよう、下記のような機能が充実しています。

  • 一括予約・管理
  • 健診コースの複数設定 (男女別・年齢別・年代別・団体別など)
  • 特定健診への対応 (メタボリックシンドローム診断・特定の業務に義務付けられている特殊健康診断など)
  • 問診票のバーコード印字・読取
  • 検査・計測機器とのデータ連携
  • 統計情報の作成

2. オンプレミス型とクラウド型

サーバーなどの運営面では、オンプレミス型とクラウド型とがあります。オンプレミス型は院内にサーバを設置するタイプであり、クラウド型は、外部のサーバにアクセスして使用するタイプのシステムです。

オンプレミス型は、施設ごとの業務に合わせたシステム構成をカスタマイズできることが特徴です。ただし、初期投資が必要であり、導入後は保守契約を行う必要があります。

クラウド型は、外部のサーバにアクセスして使用するため、ネットにつながる環境ならどこでも利用することが可能です。コストを抑えることが可能ですが、カスタマイズを行うことは少ない傾向にあります。