エッジAI

監修:菱洋エレクトロ株式会社

エッジAIとは

エッジAI (Edge AI) とは、データ処理や分析をクラウドではなく、デバイスの近く (エッジ) で行う人工知能 (AI) 技術を指します。

エッジAIでは、画像認識から画像・文章生成まで、様々なAI処理がクラウド上ではなくエッジデバイスで動作します。これにより、エッジAIは入力された情報を瞬時に処理し、リアルタイムでアウトプットが可能となります。また、データがクラウドに送信されないため、セキュリティリスクが低く、最近では特に注目を集めています。

エッジAIでは、限られた処理能力の中で要求されるタスクを効率的に処理するデバイスが必要です。これにより、様々なシチュエーションに対応が可能となり、新たなビジネスチャンスが期待されます。

エッジAIの使用用途

エッジAIは様々なシーンでの活躍機会が増加しており、業務効率が向上したり、省人化対策に役立っています。以下はその一例です。

1. 製造業・FA

品質管理の自動化、外観検査、機械の異常検知、予防保全など、生産ラインの効率化やダウンタイムの最小化に利用されます。

2. スマートシティ

交通管理やセキュリティの強化、環境モニタリングなど、都市のインフラを効率的に運用することで、交通渋滞の緩和やエネルギー消費の最適化が図れます。

3. 医療・介護

画像診断支援や遠隔モニタリングを通じて、迅速な診断や治療を実現します。また介護施設などでの見守りなどに利用されます。

4. 小売業・サイネージ

AIを活用した在庫管理、顧客行動分析、レコメンデーションの提供が普及し、店舗運営や顧客満足度の向上に繋がります。

5. 農業

農地の管理、気候データの解析、作物の健康状態の検診を通じて、農作業の自動化や最適化が進み、収穫量の向上やコスト削減を目指せます。

6. 監視システム

リアルタイムでの異常行動検知、顔認証、侵入検知など、さまざまなシーンでの監視システムに利用できます。

エッジAIの原理

エッジAIでは、まず対象近傍の監視デバイスがリアルタイムでデータを収集します。監視デバイスにはセンサーやカメラを用いることが多いです。

収集したデータは、近傍デバイス内で処理を実施します。データフィルタリングや機械学習モデルによる分析を実施することが多いです。エッジAIでは軽量化されたAIアルゴリズムを使用されることが多く、リソースが限られたデバイスでも効率的に動作します。

データが処理された後、エッジAIがリアルタイムで意思決定を行います。一例として監視カメラでは、異常な動きが検出された場合にアラートを発します。製造現場では、温度が一定の範囲を超えた場合に冷却装置を起動するなどの処置が可能です。

エッジAIの特徴は、観察対象近傍にAIを実装する点です。データの生成から処理、意思決定までをローカルで行うことで、遅延を減少させ、リアルタイム性を高めています。また、これにより、プライバシーやセキュリティの向上にも寄与しています。

エッジAIの選び方

エッジAIを導入する際には、課題を明確にし、それに基づいて最適なエッジデバイスを選定することが重要です。

また、AIの性能、環境条件、データの種類と量、スケーラビリティ、コストなども総合的に考慮することで、エッジAIの導入がより成功に近づきます。

本記事はエッジAIを製造・販売する菱洋エレクトロ株式会社様に監修を頂きました。

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