窒素発生装置

窒素発生装置とは

窒素発生装置はガス発生装置の一つです。空気の構成成分は窒素約78%、酸素約21%、その他アルゴンや二酸化炭素が1%となります。その空気から窒素のみを取り出します。窒素は不活性ガスとも呼ばれ、酸素雰囲気を排除したいときに使われます。

工場などではボンベや液化窒素、ローリーなどいろいろな搬入方法がありますが、使用量が多い場合は自社にて窒素発生装置で窒素を生成します。従来の窒素ガスと比較しても20~70%のコストダウンが見込めると言われています。

窒素発生装置の使用用途

窒素は主に酸素が少ない空間を作り出すために使用されます。例えば化学反応などで酸素が存在すると酸化して試薬が不活性になってしまい反応がうまくいかないケースも多々あります。そんな時、窒素により酸素を追い出します。これを窒素パージと呼びます。

窒素は生成方法によりPSA式、膜式、深冷式の3種類に分類されます。PSA式は短時間低コストで窒素を手に入れることができますので、一般的に用いられています。より純度が高い窒素が必要であれば深冷式となります。

窒素発生装置の原理

SPA式は吸着式とも呼ばれます。吸着材を用いて加圧下にて窒素を選択的に吸着します。吸着材を減圧下にさらすことで吸着した窒素を脱着させることで窒素を得ることができます。吸着初期には吸着速度が大きいので、その初期の短時間(1~2分)で窒素・酸素を分離します。この方法は酸素でも同様の操作で得ることができます。こうして加圧や減圧を繰り返していることから、PSA(圧力スイング吸着:Pressure Swing Adsorption)と呼ばれます。

膜式は中空糸膜による濾過作用を利用します。空気を高圧にして膜のモジュールに流し込むことで窒素の膜通過特性により高純度の窒素を得ることができます。比較的低純度の窒素が必要な場合に用いられます。

深冷式は空気を冷却して生成します。窒素の沸点は-195.8℃、酸素の沸点は-183℃、アルゴンの沸点は-185.7℃です。これら沸点の違いから高純度の窒素を得ます。つまり非常に低温ではありますが、これは蒸留操作に当たります。高純度且つ大容量の窒素が必要な際に利用します。

参考文献
https://shinko-airtech.com/equip_n2_psa.html
https://shinko-airtech.com/equip.html
https://www.fukuhara-net.co.jp/product_n2_psa.html

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