CO2モニタ

CO2モニタとは

CO2モニタとは、CO2濃度を継続的に測定する装置です。

医療用として呼気中のCO2濃度測定に用いられる装置は、カプノメーターとも呼びます。CO2を測定する装置の中でもポータブルでリアルタイム表示する製品をCO2モニタと呼ぶ場合が多いです。

表示画面は7セグメントディスプレイによるデジタル方式が一般的で、人の呼気や排気ガスの影響を受けにくい場所に設置することが推奨されます。大気中のCO2濃度が0.4%程度であることから、単位はppmが使用される場合がほとんどです。

CO2モニタの使用用途

CO2モニタは広く市販されており、オフィスから農業まで幅広い用途で使用されます。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • 人が多く集まるオフィスや会議室の換気状態の確認
  • ビニールハウス内の植物向けCO2濃度確認
  • 小売店や飲食店など、人口密集地のCO2濃度確認
  • 自宅室内の換気状態確認
  • ボイラや自動車の排ガス分析

換気が不十分だと頭痛などの悪影響があるため、CO2濃度を測定することで目安としている場合が多いです。自宅の自室に設置し、換気の目安として使用する場合もあります。ビニールハウスなどは炭酸ガスで定期的にCO2を供給する必要があるため、CO2モニタを使用します。

CO2モニタの原理

広く使用されるCO2モニタはCO2が固有の周波数の赤外線を吸収し、大気中の主成分であるN2やO2と干渉しない性質を利用したNDIR (非分散型赤外線濃度) 式です。他の測定装置と比較して構造が単純で小型化が可能なため、NDIR式が主流となりました。

NDIR式の場合、測定器は主に光源及び試料セル、赤外線検出器及び指示計で構成されます。光源はCO2が吸収する波長の赤外線を発光し、試料セルを経由して赤外線検出器へと照射しています。試料セル内にCO2が取り込まれた空気が流れ込むと、CO2濃度に応じた形で赤外線が吸収されます。赤外線の吸収量にしたがってCO2濃度へ変換出力します。

大気中の主成分であるN2やO2は赤外線を吸収しないため選択的な検出が可能ですが、水蒸気やCO等は同波長の赤外線を吸収するため測定に干渉します。また、光源を用いるため排煙などの汚れた空気の測定には不向きです。

CO2モニタの種類

NDIR式のCO2モニタには光源の数や種類に応じていくつかの種類が存在します。

1. シングルビーム式

シングルビーム式は光源が1つのCO2モニタです。比較する光源が存在しないため、経年による光源劣化や塵埃の体積などにより発光が弱まるとCO2濃度を多めに出力します。ただし、構造が簡単なため安価に製造可能であるという利点があります。

2. 二光源方式

二光源方式では2つ光源を使用し、双方を比較して補正を実施する方式です。シングルビーム式と比較して経年による光源の劣化を補正できるため、正確なデータを測定可能です。ただし、光源を2つ必要とするため部品点数が増加し、故障のリスクが高まるという欠点があります。

3. ダブルビーム式

ダブルビーム式は2波長の赤外線を使用してCO2を測定する方式です。単光源2波長方式とも呼ばれます。

2波長を含んだ赤外線を光学フィルタなどで分離して2つの検出器測定します。2波長のうち片方がCO2に吸収される特性の波長域で、もう片方が吸収されない波長域です。2波長を比較することで経年による光源劣化などを補正し、正確なCO2測定を可能としています。

部品点数が2光源方式よりも少なく、シングルビーム式比較して正確にCO2濃度を測定できる方式です。そのため、現在のNDIRにおける主流はダブルビーム方式となっています。

CO2モニタのその他情報

NDIR以外のCO2モニタ

NDIR式以外のCO2モニタとしては、固体電解質方式などが存在します。CO2とNa2CO3の化学平衡関係を利用し、固体電解質中のナトリウムイオンの増減による起電力を計測してCO2濃度へ換算します。

ただし、他成分の干渉を受けにくい反面、温度や湿度に影響を受けるのが短所です。

参考文献
https://www.environment.co.jp/study/stdy2.htm
https://www.mhiair.co.jp/contents/07-atac/07-04-210.html
https://www.acute-care.jp/ja-jp/document/bloodgas-museum/category03/capnometry
https://www.cqpub.co.jp/toragi/TRBN/trsample/2003/tr0312/0312sp7.pdf
http://gastec.co.jp

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