昇華型大判プリンターとは
昇華型大判プリンターとは、昇華型プリンターのうち、のぼり、横断幕や、学術集会用の発表ポスターなど大型のものを印刷するのに用いられるプリンターのことです。
昇華型印刷とは、熱と圧力をかけて染料を気化させる染色方法で印刷を行う印刷方法であり、ポリエステルへの印刷に適しています。そのため、昇華型大判プリンターは、ポリエステル布地への印刷の他、ポリエステル表面加工されたものへの印刷に用いられる装置です。
大きさの定義は厳密には厳密には定義されていませんが、最大プリント幅が1,100mm以上のものや1,600mm以上のものを大判プリンターと呼んでいるケースが多いです。
昇華型大判プリンターの使用用途
昇華型大判プリンターは、主にポリエステルの布地、もしくはポリエステル表面加工された製品などに印刷することに用いられます。具体的な製作例・使用例としては下記のものが挙げられます。発色が鮮明で高画質であるため、デザイン性の高い印刷に用いられることが多いです。
- ひざ掛け
- ユニフォームなどのスポーツアパレル
- バスタオル
- ファッションテキスタイル・布地・ファブリック
- デジタル捺染
- のぼり・旗・横断幕・懸垂幕
- タペストリー
- バナー
- 看板
- 展示会・イベントグラフィックなどのディスプレイ
- 屋外サイネージ
- インテリア用品
- POP・POS
- 学術集会用発表ポスター
昇華型大判プリンターの原理
1. 昇華転写プリント
昇華型大判プリンターでは、主に昇華転写プリントと呼ばれる印刷方法が用いられています。昇華転写方式とは、一旦転写用紙と呼ばれる専用の用紙に昇華型プリンターに図像を印刷し、転写用紙から目的の布地に転写するプリント方法です。転写用紙の印刷には専用の昇華転写インクが用いられ、反転したイメージが印刷されます。また、転写紙にプリントした段階では、仕上がりの色とは異なる色味です。
印刷の目的物であるポリエステルの布地に、印刷された転写用紙を当て、プレス機で熱と圧力を加えます。この際、転写用紙の染料インクが気化すると同時に、熱によってポリエステルのポリマー分子の結合が緩み、一時的にすき間ができ、染料インクの気体が入り込みます。このようにして入り込んだインクの分子が繊維のなかに拡散することにより、布地の染色が行われるという原理です。
2. 直接昇華方式 (ダイレクト方式)
直接昇華方式 (ダイレクト方式) の印刷機では、転写フィルムに印刷されているイエロー、マゼンタ、シアンの染料インクを熱したサーマルヘッドにて昇華させ、専用紙 (受像紙、コート紙) に転写して印刷します。主にデザイン出力用やDTP用途の大型プリンターに採用されている印刷方法です。
昇華型大判プリンターの種類
1. プリント幅による分類
昇華型大判プリンターは、複数のメーカーから様々な種類の製品が販売されています。最大プリント幅は1,600mm前後の製品が多いですが、中には1,900mmを越えるものもあります。
2. インク数による分類
使用するインクの数にも種類があり、4色・6色・8色などがあります。ポリエステルへの印刷を目的とする製品が多いものの、一部の製品では昇華染料、分散染料、捺染顔料 反応染料、酸性染料などを同時搭載し、目的に応じて使い分けることで綿、絹、麻、レーヨンへの印刷が可能です。
3. 最高解像度による分類
最高解像度は、1200 x 600dpiや720×1440dpiなどのものがあり、低解像度から高解像度まで設定を変えられるようになっている製品も多くあります。
4. 印刷速度による分類
印刷速度は、高画質モードでは20m2/h前後から低画質モードでは140m2/h前後まで、製品や画質モードによっても大きく幅があります。
5. 保守・メンテナンスによる分類
保守・メンテナンスに関して、基本的にはヘッドキャップのクリーニングなどの際はサービスエンジニアを呼ぶ必要がありますが、一部メーカーでは、使用者自身でメンテナンスが可能であり、作業のダウンタイムを軽減できます。
参考文献
http://rubber.signmall-maido.com/shop/item_detail.php?mode=_ITEM_DETAIL&i_xid=1247912
https://www.large-format-printer.jp/types/sublimation-printers/
http://rubber.signmall-maido.com/shop/item_detail.php?mode=_ITEM_DETAIL&i_xid=1247912
https://connect.nissha.com/fabright/sublimation_transfer_print/