薄葉紙

監修:株式会社田村商店

薄葉紙とは

薄葉紙とは、厚みが非常に薄い紙を総称して指す言葉です。

薄紙、ライス紙などと呼ばれる場合もあります。薄葉紙の語源としては、紙の薄さを表す「薄様」が由来ではないかと言われています。洋服や靴などの包装・緩衝材、ラッピングペーパーなどの用途が一般的です。グラシン紙、トレーシングペーパーなども薄葉紙の一種です。

薄葉紙の使用用途

薄葉紙は、包装用紙としての利用が最も一般的です。洋服や靴など、角の尖っていないものを包装することに用いられます。また、箱詰めの際の緩衝材としても使用される製品です。簡易包装として、プラスチック素材からの移行が進んでいる資材でもあります。

透け感や光沢感があることから、清潔感や高級感を演出するラッピングペーパーとしても使用されます。主に花束、お菓子、洋服などのラッピングに使用されます。柔らかくしなやかなことから、ぬいぐるみなど、変形のものをラッピングすることも可能です。

また、薄葉紙は、ペーパーフラワー、フラワーボールなどの装飾づくりにも活用される資材です。また、薄葉紙は印刷用紙としても利用が可能です。印刷用紙として用いられる薄葉紙には、辞書などに用いるインディアペーパーや、カーボン原紙などがあります。

薄葉紙の原理

1. 規格・特徴

薄葉紙は、JIS規格では、洋紙・和紙の坪量が40g/
㎡以下と規定されている紙です。この坪量以下のものは薄葉紙と言えるため、厳密にはトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの薄い紙も薄葉紙に含まれます。ただし、各種メーカーでは基本的に20g/m2以下の、光沢感のある薄い紙を薄葉紙に分類して販売していることが多いようです。

また、薄葉紙は中性紙なので、時間がたっても茶色に変色しないという特長があります。そのため、薄さや不透明度とともに辞書に最適な紙であると言えます。

2. 製造

薄葉紙は、非常に薄い紙であるため製造上の工夫が施されています。例えば、抄紙にあたって一般的な紙製造におけるパルプの脱水は上から下の一方向ですが、薄葉紙では上下両側から脱水を行います。また、薄さだけでなく、印刷用紙として用いるためには不透明度をもたせることが必要です。このため、薄葉紙の製造にあたっては鉱物の填料が加えられ、かつ、均一に紙の中に留める工夫が行われています。

薄葉紙の種類

薄葉紙には、「薄葉紙」として販売されるされる他、純白ロール紙、グラシン紙を始めとする様々な種類があります。また、それぞれについて、豊富なカラーや大きさの製品があり、中にはワックス加工が施されたものもあります。ワックス加工によって耐水性や強度が増すため、ワックス加工された紙は特にフラワーラッピングなどに最適です。

「薄葉紙」として販売される場合は、坪量14g/m2程度の紙である事が多いようです。その他、下記のような種類があります。

1. グラシン紙

グラシン紙は耐油性及び耐水性がある紙です。主な用途はクッキングシートや薬包紙です。平滑度や密度が高いことが特徴です。化学パルプを長時間叩解した後、熱と圧力をかけて密度を高めてあります。

2. トレーシングペーパー

トレーシングペーパーは、イラストや文字のトレース、製図のために使用される薄葉紙です。透写紙と呼ばれることもあります。印刷物の表面を保護する用途や、ブックカバー、に使用されることもあります。

3. その他

その他では、辞書などに使用されるインディアンペーパー、肉や魚などの生鮮食品を包装するホワイトパーチ、たばこの巻き紙に使用されるシガレットペーパーなどがあります。ホワイトパーチは耐水性に優れており、シガレットペーパーは別名にライスペーパーという名称があります。

本記事は薄葉紙を製造・販売する株式会社田村商店様に監修を頂きました。

株式会社田村商店の会社概要はこちら