ワイヤープローブ

監修:株式会社TOTOKU

ワイヤープローブとは

ワイヤープローブはコンタクトプローブの一種です。

タングステンなどの金属線・合金線に特殊メッキ及び絶縁コーティングを施したもので、ワイヤーを縦方向へ押したときに発生する「たわみ」を針圧に利用しています。

他の方式のコンタクトプローブに比べて細径化が可能で、プローブ自体の構造がシンプルなため、耐久性・メンテナンス性に非常に優れています。

ワイヤープローブの使用用途

ワイヤープローブは様々な用途で使用されます。以下はその用途一例です。

1. ベアボード、パッケージ基板の検査

ワイヤープローブは、様々な電子機器に用いられているプリント基板の導通検査に用いられます。
特に電子部品を実装する前の基板(ベアボード)や、半導体チップをパッケージングする際に使用するパッケージ基板
の検査用途で使用されています。

2. 半導体ウエハーの検査

半導体検査工程のうち、ウエハーテスト工程で、シリコンウエハー上に形成されたLSIチップの電気的検査に用いられるプローブカードに使用されています。ワイヤープローブを使用することで、プローブを垂直に立てることができ、より自由度の高いプローブ配置が可能となります。

ワイヤープローブの原理

ワイヤープローブは一般的に先端が尖った細長い金属製のプローブです。先端が細長く尖っているため、電子機器や回路内にアクセスするために使用されます。これにより、微細な制御基板内部などへも適用することが可能です。

本体は一般的には金属製の棒状構造であり、タングステンやレニウムタングステンなどの金属を使用することが多いです。また絶縁材料で覆われており絶縁性を確保しています。

ワイヤープローブの先端が電気回路の充電部分に接触すると、電気的な接続が確立されます。これにより、充電部分に流れる電気信号がプローブを介して取得することが可能です。ワイヤープローブに接続された測定装置や制御装置を使用して、電気的特性を測定します。

ワイヤープローブの選び方

ワイヤープローブを選ぶ際は、様々な要素を考慮することが重要です。以下はその選定要素一例です。

1. 先端構造

一般的なワイヤープローブは先端が尖った構造です。ただし、製品によっては半円形状やフラット形状などの仕様で販売されています。これにより、細かい部品や密集した回路にアクセスしやすくなります。信号取得に有利な先端構造の製品を選定します。

2. 線径

ワイヤープローブの線径は内部導体の直径を示す指標です。線径が太いほど大きな電流を流すことが可能ですが、線径が細いほど、密集した回路や小さな部品にアクセスしやすくなるため、使用用途に応じて、必要となるワイヤープローブを選定します。

3. 絶縁被覆

ワイヤープローブの絶縁性能は重要です。高品質な絶縁被覆があり、安全性が確保されていることを確認する必要があります。また、絶縁性能が高いほど高電圧の回路での使用に適しています。

4. 導体の材質

測定する対象物(プリント基板やウエハー)の電極の種類や、測定に必要な荷重・導電率など様々な条件を考慮して最適な導体材質を選定する必要があります。

本記事はワイヤープローブを製造・販売する株式会社TOTOKU様に監修を頂きました。

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