水質センサー

水質センサーとは

水質センサーのイメージ

図1. 水質センサーのイメージ

水質センサーとは、水質の測定を行うためのセンサーです。

主な測定項目は、pH (水素イオン濃度) 、ORP (酸素還元電位) 、DO (溶存酸素) 、EC (電気伝導度) 、などですが、単項目測定センサーだけでなく複合センサーもあります。また、これらの項目以外に水温や水位・水圧、塩分濃度やアンモニア、濁度などを測れる製品などさまざまです。

水質センサーの使用用途

水質センサーの主な用途は、研究機関などによる河川や湖沼、海での水質の測定、農業の現場において水耕栽培や液肥・農業排水などの管理、工場での排水管理などです。

地表水、地下水の測定の他、正確な水質管理が必要な水産養殖場の水質検査でも重要な役割を果たしています。上水を利用した後に再生処理したものを中水と呼ばれることがありますが、この中水の品質管理においても水質センサーが利用されています。

水質センサーの原理

水質センサーの主な測定項目は、pH (水素イオン濃度) 、ORP (酸素還元電位) 、DO (溶存酸素) 、EC (電気伝導度) などです。これらはそれぞれの項目が別々に測定される場合と、1つの複合センサーで測定される場合があります。

1. pH 

pHセンサーの模式図

図2. pHセンサーの模式図

pHとは、水素イオン濃度です。測定方式は主にガラス電極法が用いられています。ガラス電極法とは、ガラス電極と比較電極を用い、2つの電極の間に生じる電位差 (電圧) を測定することにより、pHを決定する方法です。

河川水は基本的に7前後を示しますが、場所や条件によって変化するため、水質調査において主要な項目とされています。

2. ORP

ORPとは、酸素還元電位のことです。水の酸化性もしくは還元性を示す指標であり、溶存している酸化体と還元体のバランスによって決まる電位を表します。

測定方法はpH測定と類似しており、mV測定機能を有するpH計本体と貴金属電極 (白金電極または金電極) と比較電極を用いて測定します。

3. DO

蛍光法のDOセンサーの模式図

図3. 蛍光法のDOセンサーの模式図

DOとは溶存酸素を示します。溶存酸素とは、水質に溶存している酸素の量を示し、温度や塩分濃度・気圧によって変動する数値です。水中の生物は水に溶けている酸素を消費して生きているため、生物の生存しやすさの1つの指標として用いられています。

具体的な測定方法は、滴定法、隔膜電極法、蛍光法などです。蛍光法のセンサーでは、蛍光を試料に対して照射し、溶存酸素により消光 (クエンチング) される現象を利用して透過光の減衰から溶存酸素濃度を算出します。すなわち、溶存酸素の濃度が高いほど消光現象が強くなり、検出器で検出される蛍光が少なくなります。

4. EC

ECとは、電気伝導率を表します。電気伝導率は、水中の電気の通りやすさの指標です。溶液に浸した電極間に電気を流すことで測定されます。

純水は電気を通しませんが、水中の電解質が多い溶液は電気が通りやすい性質です。水中の電解質の例としては、排水に溶けている窒素などがあります。

水質センサーの種類

水質センサーには、用途に合わせて設置するタイプと、持ち運びができるポータブルタイプがあります。ポータブルタイプは、棒状のセンサーと、機器モニターなどの操作部がケーブルで繋がっています。

電極を水面に入れて本体のパネルから数値を読み取ります。野外や現場での使用において、落下などのリスクが想定されるため、堅牢で片手でも操作しやすいよう設計されている製品が多いです。また、熱への適応力が高く、温度変化が激しい場所でも測定ができるように開発された機種も販売されています。

参考文献
http://www.weather.co.jp/catalog_html/CWQ-series.html
https://www.rex-rental.jp/large/120/middle/050/product/20920
https://www.horiba.com/

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