土壌硬度計

土壌硬度計とは

土壌硬度計は、土壌や地面の物理的な硬さを測定する機器です。

土壌硬度計には山中式、長谷川式があります。機器の形状や細かい原理などは異なりますが、どちらも本体がどれくらい土壌に挿さるのかを元に、硬さを測定します。

主に、農業分野や、土木分野(地盤工学など)において利用されています。山中式土壌硬度計は持ち運びの利便性・精密性などを考慮した、ポケット型・標準型・普及型が販売されていますが、精度を求める場合は標準型が推奨されています。

土壌硬度計の使用用途

土壌の硬度は、農業・林業の分野において土壌診断の指標の一つとして利用されています。

例えば、樹木を植栽する際に土壌が硬すぎると根系が十分に発達せず、生育不良を起こします。土壌は重機などにより圧密を受けている場合があり、このようなケースでは土壌硬度計が役立てられています。また、建築物や道路工事の際、地盤となる土を評価するために用いられることもあります。緑化分野で用いられることは比較的少ないですが、法面の吹付緑化など稀に使われる場合もあります。

土壌硬度計の原理

山中式土壌硬度計・長谷川式土壌硬度計について、それぞれ説明します。

  • 山中式土壌硬度計
    用いられる単位は、kg/cm2です。山中式土壌硬度計は、バネが入った本体を土壌断面に差し込み、バネの押し込み具合によって土壌の硬度を測定します。土壌に一定の大きさの穴を掘り、土壌断面を露出させて測定する必要があります。そのため、測定前に穴を掘る必要があるので、労力がかかります。柔らかい土壌から、軟質岩まで幅広い対象を測定することができます。
  • 長谷川式土壌硬度計
    貫入コーンが先端についた棒状の本体を、落錐と呼ばれる2キロの重りによって打ち付け、地面に挿さった部分の深さを読み取ります。1打撃ごとの深度を記録することで、土壌の柔らかさを表すグラフが作成できます。これをS値グラフと呼びます。当時の建設省や日本道路公団などにマニュアルにおいて標準土壌硬度測定器とされています。長谷川式土壌硬度計は、地表面にそのまま差込み測定できるので、調査のコストと時間を削減できます。

参考文献
https://www.fujiwara-sc.co.jp/product_info/agricultural-science/agricultural-science2/硬度計_土壌硬度計/
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/gum23.pdf
https://www.jiban.or.jp/file/file/jgs3431_201105-chousa.pdf

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