防音材

防音材とは

防音材

防音材とは、音を吸収する性質のある建材のことです。

防音材の材料として、コルク・ガラス繊維・フェルトなどが多く用いられています。防音材は防音の仕方によって、「吸音材」「遮音材」「防振材」「制振材」の4種類が存在します。

1. 吸音材

吸音材は、音波の振動を熱に変換し、音を軽減させる素材です。吸音材には、グラスウールウレタンシートなどが利用されています。

2. 遮音材

遮音材は、外部に音が漏れないよう、音波を反射させて遮音する素材です。遮音材には、石膏ボードやコンクリートブロックなどが使用されています。

3. 防振材

防振材は、衝撃を吸収し、振動の伝達を抑止させる材料です。防振材には、ゴムやシリコンなどが使用されています。

4. 制振材

制振材は、防振材と同様の働きをします。揺れを抑制し、共振を減少させる材料です。制振材には、アスファルトを主原料とした粘弾性樹脂などが利用されています。

防音材の使用用途

防音材は、音や振動が発生する施設や空間の壁・床・階段などに、防音を目的として幅広く使用されています。

主に防音材は、スポーツジム・ダンススタジオ・武道場のような、運動による振動や音が発生する場所に用いられます。また、録音スタジオ・劇場・ホールのような、外部から聞こえてくる音を遮断したい場所でも利用可能です。さらに、工場や機械による騒音への対策として使用され、音楽教室やライブハウス、楽器演奏を行う会場などでも、幅広く利用されています。

一般住宅でも防音材は、各部屋の騒音や振動を抑えるために使われています。とくに集合住宅の建設では、防音材の使用が必須です。

防音材の種類

防音材料には、多孔質材料、板状材料、有孔板など、多種多様な種類があります。多孔質とは、非常に多く小さな穴が空いている構造を有する物質のことです。多孔質材料の具体例として、グラスウール、ロックウール、フェルト、ウレタンスポンジが挙げられます。中音域や高音域に効果があります。耐候性は高くない傾向がありますが、コストを抑えやすく、扱いやすい材料です。

板状材料は、空気の流れを妨げる材料です。板状材料には、カンバス、ベニヤ板、シート、フィルムがあります。低音域で優れた効果を発揮しますが、基本的に吸音率はあまり高くありません。手軽に活用でき、緊急避難のための防音対策に向いています。

有孔板には空洞に繋がる共鳴器があり、音が当たると摩擦によって音エネルギーを消費可能です。具体例は有孔ボードやパンチングメタルで、とても吸音率に優れています。

防音材の選び方

一般的な壁の下地は、石膏ボードのみです。遮音材を用いた壁は遮音性能が高いため、静かな空間が生み出されます。多数の遮音材を用いれば防音性能は高いですが、目的に応じて必要な遮音性能を考えて、適切な組み合わせの選択が重要です。

防音ドアは廊下に音漏れを防ぐために、鉄鋼などの重い遮音材を使っている場合もあります。音漏れの原因となる隙間を密閉するため、パッキン材をドアの枠部に施すと効果があります。ハンドル部分に扉とパッキンの密着度を高めるために、ローラーハンドルやレバーハンドルを使用可能です。グレモン錠を使用しても効果的です。

遮音マットは防振性の高いゴムでできており、遮音や防振の性能を併せ持っています。木造建築物の床の遮音や防振に適しています。

防音材の構造

ほとんど吸音材は多孔質な構造を持っているため、音が小さな穴に入り込んで拡散して、周壁との摩擦や粘性抵抗によって材料小繊維が振動します。そして熱エネルギーに変わり、音源を反射する割合が減少します。

その一方で遮音材は、音を遮る効果を発揮して、防音する素材のことです。面密度の高い素材ほど、音を遮る力が有利です。具体的には、鉛の入ったゴムマットやアスファルトが入ったゴムなどです。ただし鉛やアスファルトは有害であり、最近は鉛やアスファルトを用いない製品の開発が進んでいます。

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