ホーロー浴槽

ホーロー浴槽とはホーロー浴槽

ホーロー浴槽とは、ホーローと呼ばれる素材を用いて製造される浴槽です。

浴槽以外にも食器や鍋などにも用いられ、美しく耐久性が高いのが特徴です。
ホーロー製品自体は金属板または金属の鋳物などの表面にガラス質の成分 (主に二酸化ケイ素) を高温で焼き付けることで作られます。金属を使用していることから他の素材の浴槽に比べて高い耐久性を有しています。表面がガラス質であることから、とても美しい浴槽となります。

ホーロー浴槽の使用用途

ホーロー浴槽は高価なこともあり高級住宅向けと考えられていますが、ホーロー製の浴槽よりも安価な人工大理石製の浴槽も使われるようになってきました。人工大理石は大理石の代用として浴槽以外にも、キッチンや洗面台などにも使われています。入浴後は、浴槽をシャワーで軽く洗い流すだけで清潔な状態を保つことができます。保温性に優れ、カビが生えにくいという理由から近年人気が高まっています。

ホーロー浴槽の原理

ホーロー浴槽をはじめ、ホーロー製品は以下の工程で作られます。

1. 金属整形加工工程

鋼板を板金加工プレス加工などで規定の形に仕上げ、溶接して製品形状に成形します。プレスなどの加工ではなく型から鋳造する場合もあります。

2. 前処理工程

ここでは鋼板に付着した油などの汚れを除去します。また、ニッケル溶液に鋼板をつけて、鋼板表面を釉薬 (二酸化ケイ素) が付きやすい状態に変化させます。ニッケル溶液につける前に硫酸に鋼板を付けることで、鋼板の表面を粗くして、より釉薬が付きやすい状態に鋼板を加工することもあります。

3. 施釉

前処理を行った鋼板に釉薬を吹き付けて塗布します。釉薬はガラスの粉末に珪石、長石、金属酸化物、ホウ砂、ソーダ灰等を混ぜたもので、製品の色や特性により多くの種類が用意されます。

4. 焼成工程

釉薬を塗布後に十分乾燥させ、焼成を行います。焼成は800~850度で5~10分程度行い、完成となります。製品によっては、施釉、焼成工程を複数回繰り返すこともあります。

ホーロー浴槽のその他情報

1. ホーロー浴槽の寿命

ホーロー浴槽の寿命はおよそ20~30年です。この頃になると劣化が目立ってきますが、ホーロー浴槽にお湯を張っている時間が長い場合は浴槽表面の釉薬が剥離しやすく、早ければ15年ほどで劣化してしまいます。

2. ホーロー浴槽の補修

ホーロー浴槽のよくある劣化の症状は、浴槽表面のガラス質のクラック (ひび割れ) や剥離です。穴が空いたり浴槽内部の金属部がむき出しになるケースがあります。内部に染み込んだ水が原因で金属部が錆びてしまうこともあります。
ガラス質の劣化は研磨のみではホーロー本来の光沢や質感が損なわれてしまうため修復が不可能となり、塗装をし直して補修します。補修のための塗装には、7~20万円ほどの費用がかかります。

ホーローに穴が空いてしまっている場合は内部の金属が錆びていることが多く、その場合は浴槽自体の交換が推奨されます。浴槽に石鹸かすなどの汚れが付着するのを防ぐために、劣化の症状があまりひどくないケースに限ってクリアコーティング処理を施す方法もあります。費用は2~3.5万円ほどです。

補修の費用を抑えるためにDIYを検討する場合は、作業の難易度が高いため慎重に判断する必要があります。浴槽内部の金属が錆びてしまった場合は完全に除去しなければ再発してしまうだけでなく、ホーローの塗装に適した塗料は特殊であるため補修部分に密着させるのが難しく、剥離しやすいです。ホーローの塗装はプロの業者でも施工不良を起こしやすいと言われているため、初めから塗装が得意なプロに依頼する方が得策と言えるでしょう。

参考文献
https://rehome-navi.com/articles/621

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