ファンクションジェネレータとは
ファンクションジェネレータとは、電気的な波形 (電気回路における時間に対する電圧の波形) を発生する装置です。
正弦波や方形波、三角波、ランプ波、ノイズ波などの周期的な波形を発生させることが可能で、各電気素子の動作テストや特性分析などに使用される場合が多いです。任意波形や3相信号を発生できる製品も販売されています。トリガやゲート発振,スイープ発振といった機能が備わったモデルも存在します。
また、波形振幅や周期などのパラメータについても設定することが可能です。
ファンクションジェネレータの使用用途
ファンクションジェネレータは 、主に電気素子や回路に特定の波形の電気信号を入力した際の応答性を調査するために使用されます。電気的な波形を計測・表示・記録する装置であるオシロスコープと併用される場合が大半で、多くの大学の電気実験室や研究機関などにはこれらが用意されています。
様々な波形が出力できる機能に対して価格も高いため、製品に組み込みで使用されることはなく、分類としては検査装置に近いと言えます。
ファンクションジェネレータの原理
ほとんどのファンクションジェネレータは、DDS (Direct Digital Synthesizer: デジタル直接合成) と呼ばれる方式が採用されています。DDS方式は、加算器とラッチにより構成される位相アキュムレータ、波形ROM、およびD/Aコンバータで構成されています。
これらを利用して周波数設定値に比例した速度のデジタルデータを取得し、これをアナログ変換することで目的の波形が出力されます。この方式により、安定で高い周波数確度、高分解能、位相の連続性の保持、任意波形の出力などの実現が可能です。
ファンクションジェネレータの選び方
ファンクションジェネレータを選定する際は、以下のポイントを確認することをおすすめします。また、使用目的に応じた仕様のファンクションジェネレータを選定することが重要です。
1. オーバーシュートが少ない
オーバーシュートとは、方形波立ち上がり時に基準値を超過した値を取る現象を指します。設定した波形に近づけるには、このオーバーシュートが少ないことが望ましいです。
2. ジッタが小さい
ジッタとは信号タイミングの揺らぎを指します。発振波形・トリガ信号のどちらにもこのジッタは発生します。再現性の高い信号生成をするためには、ジッタが小さいファンクションジェネレータを選定する必要があります。
また、波形の種類が豊富 (20種類以上+任意波形) 、多様な波形制御が可能 (外部トリガなど) 、多出力同期発生が可能など、要求される利便性も高くなっています。
ファンクションジェネレータのその他情報
ファンクションジェネレータの波形発生機能
1. バースト発振機能
トリガ信号やゲート信号で波形発生タイミングを決定する機能です。バースト発振機能には大きく分けて以下の3種類があります。
- オートバースト発振
発振波数・停止波数のみ指定する機能で、トリガ信号・ゲート信号は不要になります。指定した波数分発振と停止を繰り返す機能です。 - トリガバースト発振
トリガ信号受信ごとに指定波数分の波形発生を繰り返す機能です。 - ゲート発振
ゲート信号オンのタイミングで設定周期の波形発生を行う機能です。ゲート信号がオフになっても、その瞬間には波形は停止しません。指定した位相で整数周期分波形発振が完了した時に波形停止します。バースト発振機能では発振・停止時の位相を任意で定めることが可能です。
2. スイープ機能
スイープ機能は、特定の値を設定時間内の間変化させることができる機能です。変化できるパラメータには周波数、振幅、方形波のデューティ比 (1周期でのハイレベル/ローレベル比率) 等が挙げられます。
3. 変調機能
発振波形を変調する機能です。代表的な変調として、以下が挙げられます。
- FM (周波数変調)
- PM (位相変調)
- AM (振幅変調)
- PWM (パルス幅変調)
参考文献
https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-FunctionGenerator-01/
https://jp.rs-online.com/