カラメルとは
カラメルとは、砂糖を加熱して溶かし、色が変わり風味が出るまで煮詰めたものです。
カラメル色素とも呼ばれ、褐色の液体または粉体であり、水に溶けやすく特有の風味を有しており、食品添加剤や着色剤として使用されています。
カラメルの使用用途
カラメルの主な用途は、食品添加物として食品の着色目的で使用されています。着色料の中では最も使用量が多く、飲料や醤油、ソース、菓子等の食品に幅広く使われています。
また、カラメル特有の香りや苦みがあることから、食品の風味付けやコクを付与する役割もあります。食品関係では以下のようなものに使用されています。
1. カスタードプリン
カラメルは、カスタードプリンの表面にかかっているソースとして使われます。カラメルソースがカスタードプリンに濃厚な甘さとコクを与えます。
2. キャラメルソース
カラメルにバターや生クリームを加えることで、クリーム状のキャラメルソースができます。アイスクリームやパンケーキ、チーズケーキのトッピングに使われます。
3. キャラメルポップコーン
ポップコーンにカラメルを絡めることで、甘くて美味しいキャラメルポップコーンができます。映画館やお祭りでよく売られています。
4. コーヒーのフレーバー
カフェラテやカプチーノにカラメルシロップを加えることで、甘くて風味豊かなコーヒーが楽しめます。
5.化粧品
着色目的で薄い褐色に着色したり、ほかの色素を混ぜて色味を調整したりして使用されています。水に溶けるため、シャンプー、ボディソープ、石鹸等様々な製品に使われています。
カラメルの原理
カラメルは、砂糖が加熱される過程で起こる化学反応により作られます。砂糖は、加熱されると分解され、色が変わり香ばしい風味が生まれます。これが糖化反応です。砂糖が完全に溶けて液体状になり、色が変わった時点でカラメルとなります。
カラメルには、炭水化物の加熱により生じた複数の化合物が含まれますが、組成はまだはっきりと解明されていません。製造時に亜硫酸化合物およびアンモニウム化合物で処理を行う場合があり、その処理の有無によりⅠ類からIV類の4種類に分類されています。
カラメルの種類
カラメル色素は昔から、天然着色料として使用されてきています。1956年の食品衛生法改正に伴って、製法に応じてカラメルⅠ、カラメルⅡ、カラメルⅢ、カラメルⅣの4種類に分類され、用途に応じて使い分けれらています。。
1. カラメルI
でんぷん加水分解物や糖類などの熱処理によって得られ、亜硫酸化合物やアンモニウム化合物を使用していない安全なカラメルです。昔ながらの製法で糖類を加熱して、容易に家庭でも作ることができます。
カラメル色素の中では最も安全ですが、製造コストが高いため、工業的にはほとんど作られていません。日摂取許容量には制限がありません。
2. カラメルII
でんぷん加水分解物、糖類などに、亜硫酸化物を加えて、これに酸やアルカリを加えて熱処理して得られるカラメルです。ただし、亜硫酸は日本国内では危険とされており、その使用は禁止されています。そのため、カラメルⅡは食品添加物としては使用されていません。
3. カラメルIII
でんぷん加水分解物、糖類などに、アンモニウム化合物を加え、酸やアルカリを加えて熱処理して作られます。この過程では亜硫酸化合物は使用されておらず、食品添加物として使用できます。
4. カラメルIV
でんぷん加水分解物、糖類などに、亜硫酸化合物、アンモニウム化合物を加え、酸やアルカリを使って熱処理して作られます。亜硫酸が使用されますが、食品添加物として使用されています。
カラメルのその他情報
カラメルの製造方法
家庭でできる、カラメルの作り方を以下に記載します。
原料
砂糖100g、水 : 大さじ1
作り方
- 熱した鍋に砂糖と水を入れ、混ぜます。
- 砂糖が溶け始めたら、鍋をゆっくりと回して砂糖を均一に溶かします。焦げ付かないように注意します。
- 砂糖が完全に溶け、色が薄い黄色に変わったら火を止めます。薄い色のカラメルが完成です。濃い色のカラメルを作りたい場合は、さらに加熱して深い茶色になるまで煮詰めます。
- カラメルが完成したら、すぐに用途に応じて使います。例えば、カスタードプリンの型にカラメルを流し込んだり、バターや生クリームを加えてキャラメルソースを作ったりします。