スプライン加工

スプライン加工とは

スプライン加工

スプライン加工は、溝加工の1種であり、部材に対して複数の歯形のような形状の溝をつくる加工方式です。

溝加工は、はめ込み合わせる部材同士の接合強度を高めたり、動力伝達の効率を高めるために施されます。

スプライン加工は、軸となる部材および回転する部材それぞれに対してはめて固定できるように加工を施す必要はありますが、溝を複数本形成するため他の溝加工と比較して軸と回転部材の強い結合が得られるという特徴があります。

スプライン加工の使用用途

スプライン加工は、多数の歯でトルクを伝達するので大きい動力の伝達ができる事が大きな特徴です。そのため強い動力を効率良く伝える必要がある製品に対して使用されます。工作機械製造分野、自動車製造分野、航空機製造分野、宇宙産業、農業機械製造分野など幅広い工業分野や機械に使用されています。

スプライン加工を施した部品例としては、動力を伝える部品である、ギア・クラッチ・軸・シャフト・軸受スピンドル・プーリー(動力伝達滑車)・カップリングなどの部品に使用されています。

スプライン加工の種類

スプライン加工は、大別すると角形スプライン加工とインボリュートスプライン加工の2種類があります。それぞれの特徴は、以下の通りです。

  • 角形スプライン:複数溝の側面が直線的で、平行な形状であることが特徴です。トルクを伝達させる目的の加工です。JIS規格では溝数が6、 8、 10の3種類存在します。製造や精度確保の困難さからインボリュートスプライン加工が一般的に使われています。
  • インボリュートスプライン:歯形がインボリュート曲線で形成されています。角形スプラインに比べて製造と精度確保が容易であり「トルク伝達時に自動調心される」「動力伝達能力が高い」などのメリットがあります。自動車の変速装置において、歯車を軸に沿ってスライドし変速する用途などで使われています。

    インボリュートスプラインは、歯形形状により更に細かい種類が存在します。例えば歯形を三角形の山にしたインボリュート曲線によって形成するセレーションなども存在します。部品の特性に合わせて選択します。

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