パラフィンワックス

パラフィンワックスとは

パラフィンワックス

名称について
パラフィンワックスParaffin waxとは、炭素数が20以上(炭素数分布は約20~40)、分子量は約300~550、直鎖状炭化水素(ノルマルパラフィン)が主成分のアルカンの総称です。

海外ではケロシン灯油のことをパラフィンオイルと呼び、固形のパラフィンはパラフィンワックスと呼びます。日本ではケロシンとの混合を避けるため炭素数が20以上のアルカンの混合物であるパラフィンをパラフィンワックスと呼ぶこともあります。石蝋(せきろう)とも言います。

日本工業規格では、原油の減圧蒸留留出油より分離精製し、常温において固形のワックスをパラフィンワックスと定義されています。

パラフィンワックスの特徴

パラフィンは融点によって分類されますが、混合物ですので、融点が同じであっても、パラフィンワックスの成分のうちわけが異なる可能性があり、硬さや温度変化などが異なる可能性があります。

パラフィンワックスの使用用途

パラフィンの使用用途により適する融点が異なるため、組成や融点の異なる様々なパラフィンワックスが各社で製造されています。代表的な用途としては、ろうそくと紙製品の加工です。紙製品の表面にコーティングすることで、防湿、防水、つや出し、滑りなどが出てきます。

パラフィンワックスには非常に様々な用途があります。最もよく知られているのは燃料としての使用用途です。パラフィンワックスはろうそくや着火剤、火吹きなどの燃料の原料として用いられています。

また、パラフィンワックスは皮膚刺激性や眼刺激性がほとんどなく安全性が高いという特徴があります。そのためアイシャドウやマスカラなどの多くの化粧品や石けん、リップスティックなど固形油状の化粧品にもパラフィンワックスが基剤として用いられていることが多いです。

医療の分野での使用

歯科医療では、ブロック状では常温ではそこそこの形を維持しつつ、温めると形を変えることができます。この特徴から、義歯を作製する際によく使われます。薄くすれば指でも簡単に曲げられることから、板状のパラフィンワックスで咬み合わせの記録によく使われます。

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