モンキーヘッド

モンキーヘッドとは

モンキーヘッドと各種ハンドル

図1. モンキーヘッドと各種ハンドル

モンキーヘッドとは、モンキーレンチのヘッド部分だけを分離独立させた工具です。

アジャスタブルヘッドと呼ばれることもあります。ヘッド部分しかないため、単体では使用できません。

使用する際は、各種ハンドルに取り付ける必要があります。

モンキーヘッドの使用用途

モンキーヘッドは、ボルトやナットなどの締め付けや緩め作業に使用されます。よく使われるのは、規定トルクでの締め付けが要求される場面です。トルクレンチ用のハンドルに、モンキーヘッドを取り付けて使用します。

一般的なトルクレンチは、ボルトのサイズごとに複数のレンチを用意したり、ソケットやスパナヘッドを付け替えたりする必要があります。しかし、モンキーヘッドの場合、ボルトのサイズに合わせて開口幅を自由に調節可能です。

さまざまなサイズのボルトが混在する作業において、レンチやソケットなどの交換が不要なため大変便利です。インチサイズなど普段使わないサイズのボルトにもすぐ対応できます。

また、ラチェットタイプ (回転方向が一方向) のハンドルに取り付けられるモンキーヘッドもあります。使用することによって、作業効率の向上が実現可能です。

モンキーヘッドの原理

モンキーヘッドの各部名称

図2. モンキーヘッドの各部名称

モンキーヘッドは、以下の3点で構成されています。 

1. 上あご (固定ジョー) 

上あご (固定ジョー) は、モンキーヘッドの上半分を占める動かない部分です。ボルトをしっかり押さえて固定します。

2. 下あご (調節ジョー)

下あご (調節ジョー) は、開口幅を調節するために動く小さなパーツです。ウォームギアと連動して動きます。

3. ウォームギア (調節ネジ)

ウォームギア (調節ネジ) は、下あごの位置を動かすためのネジ状のギアです。ウォームギアをハンドル側 (右方向) に回すと開口幅が大きくなり、下あご側 (左方向) に回すと小さくなります。

モンキーヘッドの選び方

1. 大きさ (開口寸法) 

モンキーヘッドは、大きさによって調節できる開口幅が異なります。メーカーによって用意されている大きさが異なるため、購入の際は作業対象のボルトやナットのサイズが開口寸法範囲に入っているか必ず確認しましょう。

たとえば、小さいものだと開口寸法0〜20mm、中サイズのものだと10〜30mm、大きいものだと17〜49mmなどと表記されています。上限だけでなく、下限もあるため注意が必要です。

2. 適合性

違うメーカー同士のモンキーヘッドとハンドルは、適合性がなく取り付けできないことがあります。同じメーカーのもので組み合わせるのがベストです。違うメーカーの場合は、接続部分の形状とサイズを必ず確認しましょう。

3. 許容トルク

許容トルクがモンキーヘッドごとに規定されています。トルクレンチ用のハンドルに取り付ける場合は、許容トルクをチェックしましょう。取り付け可能なハンドルは、許容トルクよって全長の違うものが用意されています。

さらにトルクレンチ用のハンドルには、校正証明書付きのもの、モンキーヘッドのつけ方で回転方向 (時計回り、反時計回り) が変えられるもの、狭いところで重宝するモンキーヘッドとハンドルの取り付け角度が変えられるものなどがあります。

また、ハンドルには回転方向が一方向のラチェットタイプ、高トルクでの締め付けや緩め作業ができるハンドルの長いスピンナタイプなどもあります。使用目的に合ったものを選ぶことが大切です。

モンキーヘッドの使い方

モンキーヘッドの回転方向

図3. モンキーヘッドの回転方向

まず、作業対象となるボルトやナットのサイズに調節可能なモンキーヘッドを選定し、トルクレンチ用のハンドルなどに取り付けます。ボルトやナットは、上あごと下あごでしっかり固定することがポイントです。かみ合わせに隙間のないよう、ウォームギアで下あごの位置を調節します。

隙間がありグラついていると、ボルトの角をなめたり、工具が外れて思わぬケガにつながったりするため注意が必要です。モンキーヘッドの回転方向は、下あご方向です。上あご方向に回すと、下あごに大きな負荷がかかるため、破損する可能性があります。

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