操作スイッチ

操作スイッチとは

操作スイッチ

操作スイッチ (英: Operating Switch, Control Switch) とは、外部から加えられた負荷により機械的な動作をさせ、電気信号を切り替えるための入力装置です。

設備・装置の制御システムで回路のオン/オフ (接/断) を行います。操作とは、ボタンを押す、レバーを倒す (戻す) 、つまみやレバーを回す・スライドする など、直接的な作業で操作部を動かすことです。

その結果、内蔵されている接点がオン/オフ (接/断) し、回路に電流を流す/流さない状態を作ります。

操作スイッチの使用用途

操作スイッチ_図1

図1. 操作スイッチの使用例

操作スイッチは、制御や動力システムにおいて、電源のオン/オフ、指令、機器・回路の切り換えなど、さまざまな動作をさせるために使用します。操作者が機械を起動し、稼働中に機器の種類、運転の方法、設定の変更を行い、機械を停止するために用いるが操作スイッチです。

操作ボックス (コントロールボックス) とは、操作スイッチなどの入力装置を設置した収納箱を指します。最近では、入力装置として操作スイッチ以外に、プログラマブル表示器、パネルコンピュータでスイッチを作り込み作動させることも多いです。

操作スイッチの原理

操作スイッチ_図2

図2. 操作スイッチの構造と作動

例えば、トグルスイッチの構造は、ボディー (本体)、レバー、コンタクト (接点) 、端子などで構成されています。レバーを倒すことで、レバーが接点を押し動かして、ON/OFF (接/断) を切り換えます。

1. 接点

操作スイッチ_図3

図3. 操作スイッチの接点、極と投、オルタネートとモーメンタリ

接点は、直接開閉の役割を担う部品で、その呼称は下記3つです。

メーク接点 (a接点)
常時開いて (OFF・断) いて、操作すると閉じる (ON・接) 接点で、NO (Normally Open) 接点とも呼びます。操作して負荷が作動するような使用方法です。

ブレーク接点 (b接点)
常時閉じて (ON・接) いて、操作すると開く (OFF・断) 接点で、NC (Normally Close) 接点とも呼びます。操作して負荷の作動が止まるような使用方法です。

ブレーク・メーク接点 (c接点)
ブレーク・メークの両機能があり、常時一か所が閉じて (ON・接)、他方が開いて (OFF・断) いる接点で、操作によって閉じる (ON・接) と開く (OFF・断) が切り換わります。操作で2回路を切り換えるような使用方法です。

2. 極と投

極は、1度の操作でON/OFF (閉/開、接/断) することができる回路の数です。投は、接点の数を示し、単投はメークもしくはブレーク接点、双投はブレーク・メーク接点を示します。

1スイッチの1度の操作で1回路のON/OFFができるものを単極、2または3回路を同時にON/OFFできるものを2または3極といい、下記がこれらの組み合わせになります。

  • 単極単投 SPST (Single Pole Single Throw) 1回路1接点
  • 2極単投 DPST (Double Pole Single Throw) 2回路1接点
  • 単極双投 SPDT (Single Pole Double Throw) 1回路2接点
  • 2極双投 DPDT (Double Pole Double Throw) 2回路2接点

3. オルタネートとモーメンタリ

操作部の動作は下記2種類あり、説明は押しボタンスイッチの例です。

  • オルタネート
    操作後に手を離しても操作部の位置と接点の状態は保持されます
  • モーメンタリ
    操作後に手を離すと操作部の位置と接点の状態は保持されず元に戻ります

操作スイッチの種類

操作スイッチ_図4

図4. 操作スイッチの種類

操作スイッチの種類は、主に操作部の形状・動きで分類されます。

1. 押しボタンスイッチ

押ボタンスイッチは、円盤状のボタンを押し接点を作動させます。オルタネート (自己保持) とモーメンタリ (自動復帰) の2つの動作タイプがあります。

なお、特殊用途で非常停止用押しボタンスイッチがあり、非常時でも視認しやすい色や形状が特徴です。

2. セレクタスイッチ

セレクタスイッチは、レバー (取手) をひねることで、接点を切り換えます。セレクタスイッチの主な仕様は、下記2種類です。

  • ノッチ
    切り換できる接点数で、3ノッチ3種、4ノッチは4種の切り換えが可能です。
  • ノッチ角度
    レバーの各ノッチ間回転角度で、30°、45°、60°、90°などがあります。レバーの回転後の位置を保持する各位置保持形と、スプリング力で元の位置に戻るリターン形 (自動復帰形) があります。

3. ロッカースイッチ

ロッカースイッチは、小形船横断面のような形状のパドルを押し、接点を作動させます。一般的な例は、住宅の電灯用スイッチです。

4. トグルスイッチ

トグルスイッチは、棒状のレバーを倒し接点を作動させます。トグルスイッチも、オルタネート (自己保持) とモーメンタリ (自動復帰) の動作タイプがあり、レバー位置を保持か元の位置に戻るかです。また、レバーをどちらかに倒す2ポジションと、中間置のある3ポジションがあります。

5. タクタイルスイッチ

タクタイルスイッチは、ボタンのストロークが短い押しボタンスイッチです。他に、タクティルスイッチ、タクトスイッチの呼び方があります。

6. ロータリスイッチ

ロータリスイッチは、円筒状のつまみを回転することで接点を切り換えます。セレクタスイッチと操作方法は似ていますが、内部構造が異なり、可動接触子が固定接触子上に位置した時に摺動するスライド式と、固定接触子の凸部とつまみの回転で接触し摺動するバッティング方式があります。

7. スライドスイッチ

スライドスイッチは、凸状のレバーを押し接点を作動させます。

8. キーロックスイッチ

キーロックスイッチは、キー (鍵) を差し込み、押すまたはひねる操作で接点を作動させます。キーがないと操作はできないため、操作者の限定やセキュリティが必要な機器で使われています。

9. タッチレススイッチ

タッチレススイッチは、機械的動作する部分がなく、近赤外線反射方式などにより、手をかざして接点を作動させます。

厚い手袋着用していても、手を触れずに操作が可能で、衛生や感染症対策が必要な場合に使用されています。

10. RFIDスイッチ

無線周波数識別RFID (Radio Frequency Identification) 採用し、RFIDタグを差し込みデータを読み込み、処理を行うスイッチです。対象者のみが操作・設定変更ができるような、セキュリティ対策に使用します。

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