衝撃試験

衝撃試験とは

衝撃試験とは、試験材料に対し衝撃荷重が加わった際に、どの程度の衝撃に耐えられるかを測定する試験のことです。

通常は試験サンプルを固定し、そこに振り子式の打撃ハンマーを振り下ろして衝撃を加えた上で、どの程度衝撃に耐えられるか、またはどの程度変形しないまま破損するか、2点を評価します。

この衝撃試験では材料自体の強度も明らかになるため、材料ベースの場合は材料選定、製品状態の場合は製品の品質保証に役立ちます。

衝撃試験の使用用途

衝撃試験では、材料自体または製品での耐衝撃性を測定可能です。そのため衝撃の加わりやすい商品では、使用環境を想定して見合った衝撃を加えて評価する必要があります。

その中でもスマートフォンやタブレットなどのモバイル製品では、使用している間に落下の衝撃を受ける可能性が極めて高いため、高い衝撃にも耐えられるようにあらゆる条件で衝撃試験が行われています。

そのほか輸送時の衝撃を想定して試験を行い、消費者の手に渡るまでに落下衝撃で起きる破損の不具合を抑制可能です。

衝撃試験の原理

衝撃試験に似た試験に落下試験がありますが、落下試験は製品を自由落下させた衝撃を確認する試験です。衝撃試験は1点にハンマーで打撃を加えた衝撃であり、種類が異なります。また衝撃試験では、自由落下時に起こる速度以上で試験サンプルに打撃するため、高速の負荷をかけられます。

このような衝撃試験では通常固定した試験サンプルに対し、振り子上のハンマーを振り下ろして衝撃を加え、試験を実施可能です。衝撃試験では試験を行う機械が定められており、アイゾット衝撃試験機 (英: Izod impact testing machine) とシャルピー衝撃試験機 (英: Charpy impact testing machine) が使用されます。

1. アイゾット衝撃試験機

アイゾット衝撃試験機では、試験片の片側を固定し、固定していない側からハンマーで打撃して、衝撃値を測定します。

2. シャルピー衝撃試験機

シャルピー衝撃試験機では、試験片の左右両側を固定し、背面側からハンマーで打撃して破壊し、衝撃値を測定します。

衝撃試験の選び方

1. アイゾット衝撃試験

アイゾット衝撃試験は、ゴルフのティーショットのように、靭性を確認する試験です。試験片に小さい切り込みを施して、ノッチ付きの方向から打撃します。ハンマーが持ち上がった角度と持ち上がった角度を測定可能です。ノッチ付きとなしで、測定結果を比べる場合もあります。

アイゾット衝撃試験では、試験片を壊した後のハンマーの動きが重要です。試験片が衝撃を吸収しない場合にはハンマーが高い場所まで振り上がり、試験片が衝撃を吸収した場合にはハンマーがあまり振り上がりません。プラスチックや金属のようなさまざまな材料で実施可能です。プラスチックは温度で衝撃強さが違うため、低温と高温で行う場合もあります。

2. シャルピー衝撃試験

シャルピー衝撃試験では、破壊時に使ったエネルギーで、脆さや強さをテスト可能です。試験機へ試験片を設置して振り子で中心へ打撃し、ノッチ付きではノッチの反対側に対して振り子で打撃します。

振り下ろした後にハンマーは反対側へ振り上がります。試験片のありとなしで、振り上がった角度を比べて靭性を確認可能です。試験片が衝撃を吸収しないとハンマーが高い場所に振り上がり、試験片が衝撃を吸収するとあまり振り上がりません。プラスチック、木材、金属などのあらゆる製品で試します。

衝撃試験の種類

1. 落球衝撃試験

落球衝撃試験 (英: Falling ball impact test) では靭性を確かめるため、決まった高さから製品または材料に向かって鋼球を落下させます。

2. デュポン式落下衝撃試験

デュポン式落下衝撃試験 (英: DuPont Impact Test) はプラスチックのシートや塗膜の強さを調べるテストです。プラスチックやコーティングには衝撃による剥がれや割れの可能性があるため、擬似的な衝撃を加えて製品のもろさを見ます。

3. ダートインパクト試験

ダートインパクト試験 (英: Dirt impact test) は、プラスチック板、ガラス、建材用ボードへダートを落下させたときに、試験片が破壊されるか調べるテストです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です