リジッドフレキシブル基板

リジッドフレキシブル基板とは

リジッドフレキシブル基板とは、プリント基板の一種です。リジッド基板とフレキシブル基板の特徴を併せ持っており、リジッド基板やリジッドFPC基板、フレックスリジッド基板など様々な名称があります。
プリント基板とは、電子機器同士を電気的に接続させる為の部品です。信号と電力の送信の役割を担い、各部品の位置を固定しながら配線接続ができます。
様々な電子機器の内蔵部品として実装されており、必要不可欠な部品です。

リジッドフレキシブル基板の特徴

プリント基板は、リジッド基板やフレキシブル基板といった種類に分類されます。
リジット基板は素材は絶縁体が選ばれており、硬質のため自動搬送に耐え、部品の位置決定が容易です。強度はある一方で、柔軟性には欠けます。
フレキシブル基板は薄いフィルムが使用され、繰り返し折り曲げる作業が可能です。重量制限のある部品にも実装可能であり、可動部への使用に適しています。こちらも素材自体は絶縁体となります。
リジッドフレキシブル基板は、リジッド基板とフレキシブル基板を一体化させた複合基板で、上記の2種のメリットを合わせ持ったプリント基板です。
そもそもの用途は、宇宙航空機向けにコンパクト化を求めて開発されました。開発以前は、複数の基板を不安定な電線で接続しており、不良や故障が頻発していました。

リジッドフレキシブル基板の原理

部品を実装するリジッド部は、立体配線用のフレキシブル層と回路形成用のリジッド層の全層が重ね合わされた構造をしています。
本来は基板間をコネクタで接続する必要がありますが、外層と内層をスルーホールで接続する発想でコネクタ分の高さと重量が省略可能です。
フレキシブル部はフレキシブル層のみで構成されています。しかしながらその層数が多くなると屈曲性が損なわれるため、1層または2層単位で分離しています。
希望用途によってこの総層数は調整が可能であり、各メーカーによって設計提案を行うのが一般的です。
フレキシブル基板単体では、その薄さから実装作業において慎重な作業が必要でした。ベース強度をリジット基板が担う形で既存の実装設備での対応が可能となりました。
その構造からリード1本線にて接続ができており、ノイズの発生も抑えられる事が確認されています。部品省略により小型軽量化や薄型化が実現でき、適用できるデバイスの幅が大きく広がりました。

リジッドフレキシブル基板の使用用途

リジットフレキシブル基板には、折りたたみ型、フライイングテール型、ブックバインダー型などさまざまな形状のものがあり、設置場所の状況によって多様な対応ができます。
基板形状の調整の幅が広いため、家庭用ゲーム機、携帯電話、医療機器、スマートデバイス、ストレージデバイス、ウェアラブルデバイス、通信基地局など、小型軽量化が求められる機器、高信頼性が要求される機器に幅広く使用されています。

リジッドフレキシブル基板のその他情報

1,リジッドフレキシブル基板の課題

リジット基板やフレキシブル基板単体での製造と比較しプロセスが煩雑になります。ビアの位置などは調整が必要であり、設計から微細な確認作業が求められます。
製造メーカーも限られており、製造コストが高い点が課題として挙げられます。

2,将来性

昨今、通信技術の向上や電子機器販売の増加により、プリント基板市場は拡大の一途を辿っています。高速通信を可能にする規格はインフラ設備への影響が大きく、より高性能なプリント基板が求められています。更にAI技術の台頭により、様々な産業がIT化を進める意向です。各国の外交関係や情勢も関係しており、その需要は世界的なものになっています。リジットフレキシブル基板もその特徴から実装される機器が増えており、製造効率の見直しが求められています。

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