レーザードライバとは
レーザードライバ (英: laser driver) とは、主にレーザー発振に用いる電源やコントローラーのことです。
レーザードライバは、レーザーダイオードドライバ、LD電源、レーザー電源などとも呼ばれます。必要な要素技術が多く、温度制御や電流制御、出力制御など様々な機能が搭載されています。
全ての機能が実装された統合タイプから各機能を単独で利用できるタイプまで、種類はさまざまです。
レーザードライバの使用用途
レーザードライバは、レーザーポインター、レーザー水準器などのレーザーダイオード駆動用、 LEDなど定電流負荷駆動用などに使用されます。また、高出力タイプは、ファイバーレーザー励起、非破壊検査、溶接・切断・穴開けなどです。
組み込み、小型化などの回路設計や部品選定を行うことで、用途に応じたレーザードライバに仕上げられます。コンポーネントやモジュール単位、マウントオプションなど、さまざまな製品の選択ができます。
レーザードライバの原理
レーザダイオードドライバの基本的形態は、検出抵抗器とオペアンプで構成される電流源が代表的です。オペアンプは検出抵抗器の電圧を測定し、抵抗の電圧を制御電圧に近づけるようにフィードバックループを使用しで出力を制御します。オペアンプの出力は、数10mA以上の電流供給が困難なので、ディスクリート・トランジスタに置き換えるのが一般的です。
過電流状態から保護するために、設計には複数レベルのレーザーダイオード保護を設けます。 機能には、調整可能な電流制限、冗長ハードウェア電流制限、電圧制限、スロースタート回路、出力短絡リレー、過渡保護などがあります。
レーザードライバの種類
レーザードライバには、定電流電源の使用、保護回路の設置、一定の光出力を維持する回路要素、温度制御、レーザー発振、パルス発生器などの機能をそれぞれ単独で保持している装置があります。全て1つの電源装置として備えているものもあり、ピン配列を工夫して回路への組み込みなどを容易に行えるようになっているのが特徴です。
レーザードライバのその他情報
1. レーザードライバの制御
レーザーの波長や出力を安定させるため、駆動制御と温度制御を行う必要があります。レーザードライバは駆動制御のために、電源からのノイズ除去、外乱ノイズや誤接続によるドライバの不具合防止、出力のパワー制御を行っています。
また、温度制御では、温度コントローラーと機能の連携により安定した制御を行います。
2. レーザードライバの使い方
連続駆動
連続してレーザーを駆動する用途は、ガス分析などのモニタリングや加工用などです。連続駆動時のノイズの少なさや安定性が必要です。
パルス駆動
パルス駆動でレーザーを使用するときは、パルスジェネレータのパルストリガを使用してレーザー発振します。立ち上がり時間、パルス幅、オーバーシュートの少なさなどの検討が要ります。
レーザーを変調する場合
レーザーの出力や周波数を周期的に変えたり、周波数一定で出力を変えたりする場合です。レーザーを変調させるには、直接変調や外部変調などの方法があります。
レーザーを増幅する場合
レーザーの出力をさらに上げる場合や、レーザー出力の長距離伝送などの場合は、半導体光増幅器SOAを使います。
3. レーザードライバの出力領域
出力電流の大きさで、用途を分類できます。
- 0.1~2A
医療用・分析用 - 2~10A
低出力の加工用、リペア・トリマ・マーカ用 - 10~100A
高出力の加工用
参考文献
https://www.thorlabs.co.jp/newgrouppage9.cfm?objectgroup_id=1364
https://www.thorlabs.co.jp/navigation.cfm?guide_id=2108
https://www.tei-c.com/ld
https://www.fiberlabs.co.jp/products-list/ld-driver-index/