監視カメラとは
監視カメラとは、監視員が常時監視していない場所において、人の代わりに監視をするカメラのことです。
定点カメラの1種であり、ショッピングモールや博物館に使用されています。その場で何が起こったかを知るためのものなので、サンプリングレートをあまり高くしないことが特徴です。場合によっては、情報量を圧縮するために白黒画像で保存してます。
多くの場合、監視カメラでの映像は制御室等で常時確認することができます。
監視カメラの使用用途
監視カメラは、産業に幅広く用いられています。具体的には、ショッピングモールや博物館、ジュエリショップなどの有価商品を扱う店舗で使用されます。近年では、コンビニでも使用されるのが一般的です。
そのほか、常時巡回員がいない変電所や発電所等でも使用されています。大規模なプロセス系の工場では、制御室に監視カメラも設置して機器の動きを監視している場合が多いです。
監視カメラの原理
監視カメラは、主にカメラ部分、伝送配線、記録装置の3部位に分かれています。
1. カメラ部分
カメラ部分は、1900年代中盤には主にフィルムに映写する仕組みが取られていました。レンズで集中させた光を感光フィルムに当てることで、画像として残す仕組みです。
この場合、画像を記録するために大量のフィルムが必要となるので使い勝手が悪く、価値の高い商品の監視用に留まっていました。それに対して、現在は画像を電子データとして保存します。大量のフィルムを必要としないのが大きな特徴です。
2. 伝送配線部分
伝送配線部分は、一般に同軸配線が使用されていました。伝送距離が長い場合などには現在も使用されていますが、近年ではカメラへの電源供給も可能なPoE型のLAN伝送が多くなっています。
制御室での監視や録画が簡単なのが特徴です。ただし、伝送距離が100mまでとなるため、制御室で集中的に監視する用途に用いられます。
3. 記録装置
記録装置は監視カメラ製造各社で製造されてますが、大容量記憶の場合はハードディスクやSSDが使用されます。小容量記憶の場合は、SDカードやUSBフラッシュメモリが一般的です。
監視カメラの選び方
1. 監視範囲と視野角
監視カメラの設置場所や目的に合わせて、必要な監視範囲と視野角を考慮します。広範囲をカバーする必要がある場合は、広角レンズやパノラマカメラが適しています。
一方、特定の領域や対象物を重点的に監視する場合は、ズーム機能や可変焦点レンズがあるカメラを選ぶことが重要です。
2. 解像度
解像度とは、カメラが取得する映像の細かさです。高い解像度は、顔やナンバープレートなどの細かい情報を捉えるのに有効です。
一般的に、720p HD、1080p Full HD、4K Ultra HDなどの解像度が一般的ですが、目的と予算に応じた適切な解像度を選びます。
3. 昼夜対応性
昼夜を問わず監視を行う必要がある場合、昼夜対応性が重要です。カメラが照明条件の変化に柔軟に対応できるかどうかを確認します。赤外線 (IR) カメラや照明補助機能を備えたカメラは、暗所や夜間の監視に適しています。
4. 防犯対策機能
監視カメラには、侵入検知、動体検知、顔認識、警報連動などの防犯対策機能があります。これらの機能により、異常な活動や不審者の検出、特定の人物の識別などが可能となります。使用環境やセキュリティニーズに合わせて、適切な防犯対策機能を備えたカメラを選ぶことが重要です。
5. 信頼性と耐久性
監視カメラは長期間の運用を想定しており、信頼性と耐久性が求められます。防塵・防水性能や耐衝撃性など、適切な防御機能を備えているか確認します。また、メーカーや製品の評判や保証情報を確認することも重要です。
6. 互換性と拡張性
監視カメラを使用するシステムやネットワークとの互換性があるかを確認します。適切なインターフェース (例:Ethernet、PoE) を備え、既存の監視システムに容易に統合できるかどうかが重要です。
また、将来的な拡張性も考慮に入れ、必要な場合に追加のカメラや機能を組み込むことができるかどうかもポイントになります。