スプリングワッシャー

スプリングワッシャーとは

スプリングワッシャーは、ボルト (またはネジ) の緩みを防止するために使用される座金です。

スプリング作用でボルトの締め付ける力を維持する役割があります。最も基本的な形は、ばね座金とも呼ばれ、細い金属の輪を1か所切断して端を上部方向に曲げて、一重のバネの形とした非常に原始的で簡単な金具です。ボルトとナットを使って2つの部材を結合する際に、ボルトの頭に平ワッシャーと一緒に使用します。

ボルトにスプリングワッシャーを通し、次に平ワッシャーを通してからそのボルトを2つの被接合部材の穴を通して貫通させ、反対側に平ワッシャーとナットで固定します。こうすることで、スプリングワッシャーの弾性力が常にボルトとナットの間に反発力として架かるので、ボルトやナットが緩むことを防ぐ機能が有ります。

スプリングワッシャーの仲間には、より大きな緩み防止効果がある、コイルスプリングワッシャーや、ウエーブスプリングワッシャーなどがあります。

さらに、タイトニックという複合形式のワッシャーにもスプリングが使われており、建築木材の経時変化による縮みが発生しても、ボルトの緩みを防いで部材の強い結合を保ち続けることを可能としています。

スプリングワッシャーの使用用途

スプリングワッシャーは、ボルトやナットと併せて、部材同士を接合するために使う金具です。スプリングワッシャーは、ボルトやナットの緩みを防止することで、部材同士の結合を安定させます。さらに、ボルトやナットと被接合部材との間の機密性を向上させるために使用される場合もあります。

スプリングワッシャーは、機械や装置のさまざまな部分で使用されていおり、例えば自動車やバイクのエンジンやサスペンション、家電製品や電子機器の内部などがあります。種類によっては、電気的な接触を改善したり、振動や衝撃を吸収するために使用される場合もあります。

スプリングワッシャーの原理

スプリングワッシャーはばねの力を利用して、ボルトやネジの頭を、被接合部材とは反対方向に押し戻す力を出します。このことによって、ボルトの場合には接合部材の反対側にあるナットとの間で、お互いのネジ山どうしに押し付けあう力が生じます。その結果、ボルトとナットとの間の摩擦力が強くなり、ボルトとナットが緩むことを防いでいます。

同じようにネジに取り付けられたスプリングワッシャーは、ネジの頭を被接合部材とは反対方向に力を加えるため、ネジに切られたネジ山と接合部材の穴に切られたネジ山との間に押し付けあう力を発生します。これによりネジと部材との間の摩擦力が強くなり、ネジが緩むのを防ぎます。

スプリングワッシャーの種類

スプリングワッシャーには様々な種類があり、使用目的と使用対象、使用環境に合わせた製品を選ぶ必要があります。

1. コイルスプリングワッシャー

コイルスプリングワッシャーは、円錐形のコイル状に金属を一巻から数巻した形をしています。コイルスプリングワッシャーは圧縮ばね用ワッシャーとも呼ばれていて、ボルトをナットで締める際にコイルが縮められ、それに対する反発力でボルトの頭を押し戻す力を出し、ボルトが緩むのを防ぎます。

2. コイルスプリングワッシャー

コイルスプリングワッシャーは、単純な形のワッシャーよりも複雑な形状になりますが、より強い緩み防止効果を発揮できます。

3. ウエーブワッシャー

ウエーブワッシャーは円環上の平ワッシャーが、外部から力を加えられて波打つように歪んだ形をしています。別名、波座金とも言われます。ボルトの山で押さえつけると変形部分がボルトの山を押し戻すように力を出します。

ウエーブワッシャーは比較的軽い締め付けに使用され、締め付けと同時にがたつき防止の効果も発揮します。

4. タイトニック

タイトニックとは、ナットが締め付け方向と逆回転することで発生するボルトの緩みと、被結合材が縮むことに起因するボルトの緩みの両方を防ぐことができる高機能なワッシャーです。

タイトニックではマジックリンク呼ばれる内側にネジ山を切ったテーパー状の締め付けリングで、ボルトの締め付け方向と逆方向の回転を防ぎます。それと同時に、円環状の板バネを重ねて作ったバネがナットと非都合部材との間に反発力を保ち続けることで被結合材の縮みの影響を打ち消します。

タイトニックを木製の構造物の接合部に使用することで、経年劣化による木痩せが発生した状況でも、構造物のがたつきを抑える効果だあります。

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