継手

継手とは

継手 (英: Connector, Coupler, Coupling, Joint) とは、建築物や機械類などの構造物の部材をつなぎ合わせる方法や、その接合部のことです。

一般には、配管や軸同士をつなぎ合わせるために使用する部品のことを指します。大小様々のパイプから機械、建造物などの部品・部材を結合するための構造の総称で、その用途によって様々な材質や形状・名称のものが存在します。

継手の種類

継手は、あらゆる分野の設備配管に使用されるものと、機械工学分野で回転体の連結に使用されるものとに大きく分けられます。

配管用のものには、配管同士を直線接続するカップリング、ヘルール、ニップルなどのほか、流体の流れる方向を変えるエルボやベント、合流や分岐を作るクロスやチーズ、管の大きさまたは長さを変えるインクリーザー (レジューサー) やソケット、配管の先端を封止するキャップやプラグなどがあります。

溶接式のもののほか、ねじ込み式 (ねじ込み継手) 、フランジ式 (フランジ継手) 、くい込み式 (ワンタッチ継手等) など、接続様式も多様です。素材も様々で、ベーシックな可鍛鋳鉄製のものでも、表面処理の有無や種類によって白継手、黒継手、樹脂コーティング継手などに分けられます。このほかにも耐食性に優れたステンレス継手、黄銅製継手、青銅製継手、樹脂製継手、塩ビ継手などが広く利用されています。

機械工学分野では、駆動軸と従動軸のような回転体同士を連結する継手のことを軸継手、カップリング、ジョイントなどと呼び、機械動力の伝達のほか、取り付け誤差や振動を吸収する役割を果たします。

つなぎ合わせる2軸の軸線が一致している場合に使用する固定軸継手や、軸線を合わせにくい場合や振動・衝撃を緩和する目的で使用するたわみ軸継手、2軸が平行にずれている場合に使用するオルダム継手 (オルダムカップリング) などがあります。

また、ロータリージョイントスイベルジョイントなどのように、配管と回転する軸との間で水や空気、油などの流路を形成する継手を回転継手と呼びます。

継手の寸法

配管継手の外径寸法は「呼び径」で表されます。ミリメートル系の寸法であるA呼称と、インチ系の寸法であるB呼称がありますが、いずれも内径または外径をそのまま表した呼称ではないため、使用時には注意が必要です。

継手の材質

ここでは継手の中でも特にメジャーな管継手の材質について説明します。

1. 黒継手

一般的な配管に使用される管継手の可鍛鋳鉄 (熱による変形がある程度可能な鋳鉄) 製のものが多く、水・油・蒸気・空気などの多くの流体の使用に適しています。

2. 白継手

白継手は黒継手とは異なり、表面にメッキ加工 (溶融亜鉛) されているもので、黒継手の使用可能流体に加え、冷却水や工業用水などの配管にも使用されています。

3. ステンレス継手

その名の通りサビや腐食に優れた耐性を持つステンレス製の継手で、危険な物質を取り扱う現場 (一般化学設備、原子力、排煙脱硫装置、硫化水素や塩化物) の配管にも使用されています。

4. 黄銅製継手

真鍮 (銅と亜鉛の合金) でできた継手でトイレの給水管・洗浄管など身近なところに使用されている継手です。

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