タイムキーパとは
各種実験や評価の際に時間の測定が必要となった場合に使用する測定器の一種で、搭載する機能はストップウォッチと同様です。
一般的に測定可能な時間は0秒から60分程度で1/100秒単位の測定が可能です。
測定を開始するスタートボタン、測定を終了するストップボタンおよび計時された時間をクリアするリセットボタンが用意されています。
スタートボタンの押下と同時に時間が増加していく使い方と、逆にあらかじめ設定した時間から時間が減少していき、0秒に達した場合に音声により知らせるといった使い方をします。
中にはダイヤル式つまみで容易に時間の設定が可能なタイプのあります。
タイムキーパの使用用途
例えば製品を設計するケースなどの一例を挙げるとトラブルシューティングが挙げられます。ある条件下で不具合がある一定時間発生することが分かった場合に、その持続時間をできる限り精度よく測定したいケースがあります。
人間の目で確認し、不具合症状の開始時点でスタートボタンを押下し、終了時点でストップボタンを押下して不具合の持続時点を測定することが多いため、それほど高い精度は期待できませんが、何度か繰り返し、測定し、その平均値を取るなどの工夫である程度の精度のデータを取得できます。
この時間が、回路上の遅延時間であったり応答時間であったりする可能性から、どこの部分の不具合であるかあたりをつけるきっかけとすることができます。
タイムキーパの原理
タイムキーパの内部には電池および水晶振動子に加え、液晶表示部、更には水晶振動子の発振パルスを分周してこれをカウントし、更に液晶表示部へ表示するためのSOC(System on chip)などから構成されています。
タイムキーパの本体に用意されたボタンを押下するとこの信号がSOCに伝わり、押されたボタンがスタート、ストップ、リセットのいずれのボタンであるかをチェックし、スタートボタンの場合には計時開始、ストップボタンの場合は計時ストップ、リセットボタンの場合は内部の計時データをクリアする動作を行います。
システム上の中核となる水晶振動子ですが、このデバイスは、デバイスに電圧を印可することにより水晶の形状によって決まる固定振動により発振周波数を生成します。
一般的に使用される発振周波数は数百KHz~百MHz程度の範囲です。発振周波数の精度は、0.001%程度でセラミック発振子に比べ1000倍程度高精度です。その分、価格もセラミック発振子に比べると高くなります。
計時用として使われるのは32.768KHzの水晶振動子です。この原発振周波数を分周して1秒を作りだし、時間を刻んでいます。
参考文献
https://www.seikowatches.com/jp-ja/products/stopwatch/timekeeper/features
https://www.st.com/ja/clocks-and-timers/battery-and-crystal.html