監修:コムネット株式会社
ウォーターカッターとは
図1. ウォーターカッター
ウォーターカッターとは、高圧水流を利用して、さまざまな素材を切断できる工作機械です。
「ウォータージェットカッター」「ウォータージェット加工機」とも呼ばれています。
ウォーターカッターの原理
ウォーターカッターは、高圧水流を用いて素材を切断します。一般的なウォータージェットカッターは、高圧ポンプで水を加圧し、専用のノズルから水流を噴射することで切断します。オプションで研磨剤を混ぜて切断するものもあり、より硬い素材を切断できます。
ウォーターカッターで加工できる材料・素材
ウォーターカッターは、下記のような材料・素材を加工できます。
- 金属: ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、鉄、チタン
- プラスチック: アクリル、ポリカーボネート、テフロン、ナイロン、PET
- 複合材: 炭素繊維、グラスファイバー、サンドイッチ構造
- 石材: タイル、大理石、グラナイト、石灰岩、トラバーチン、砂岩
- ガラス
- ゴム
- フォーム
ウォーターカッターの使用用途
図2. ウォーターカッターの使用用途
ウォーターカッターで用いられる加工用途は、下記のような加工が代表的です。
- 切断
- 穴あけ
- 削り出し
ウォーターカッターのメリット
ウォーターカッターは、さまざまな工作機械のなかでも、水流を用いて加工することにより、下記のようなメリットがあります。
1. 多様な素材を切断できる
ウォーターカッターは、金属、石、ガラス、プラスチック、木材、ゴムなど、さまざまな素材を切断できます。扱う素材の種類が多く、素材ごとに専用機を導入できない方や、できるだけ1台で多くの素材を切断したい方に適しています。
2. 熱影響を受けにくい
ウォーターカッターは、水流による切断のため、加工時に熱の影響を受けにくいです。そのため、加工後の素材の歪み、変質 (変色や硬化) が抑えられます。熱によって有毒ガスが発生するような素材(塩化ビニルなど)の加工にも適しています。
3. 複合素材を切断できる
ウォーターカッターは、2つ以上の異なる材料を組み合わせた複合素材の切断に適しています。
図3. 複合素材の切断
ウォーターカッターの選び方
ウォーターカッターはさまざまな種類があり、用途に合わせて適したものを選ぶことが大切です。大型ウォーターカッター (高性能) 、小型ウォーターカッター (低価格) に分けて、それぞれが適している用途をまとめています。
1. 大型ウォーターカッターが適している用途
- 生産性を求める場合
- 高い加工精度が必要になる場合
- 斜めにカットしたい場合
- 研磨材を使用せずに、硬質素材を切断したい場合
2. 小型ウォーターカッターが適している用途
- 低予算で導入したい場合
- 小ロット加工に対応したい場合
- 省スペースで設置したい場合
- 研究所、教育機関で利用したい場合
ウォーターカッターの使い方
一般的なウォーターカッターの利用方法は、下記のような流れで行われます。
- 切断したい素材を台に設置する。
- CADソフトなどで切断する形状を設計して、加工データを作成する。
- ウォーターカッターに加工データを送信する。
- 適切な切断条件を設定し、切断を開始する。
ウォーターカッターを導入する際の注意点
図4. 導入時の注意点
ウォーターカッターを導入する際に注意しておきたいポイントを紹介します。導入に失敗しないように、またスムーズに運用できるように、下記の点に注意しながら導入を検討することが大切です。
1. 設置場所
ウォーターカッターは、加工中に周辺に水が飛び散ることがあります。設置場所の床面は、水を吸収しない素材であることが望ましいです。また、湿度が高くなりすぎないように、十分な換気ができる場所が望ましいです。
2. 給水・排水
ウォーターカッターは、機種によっては給水・排水のための環境を整備する必要があります。導入前にどのような設備が必要か確認します。
3. 設置スペース
ウォーターカッターの設置場所には、十分なスペースが必要です。機械本体の設置スペースだけではなく、作業スペースや素材の収納スペースなども考慮することが大切です。
本記事はウォーターカッターを販売するコムネット株式会社様に監修を頂きました。
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