温水タンク

温水タンクとは

温水タンク (貯湯槽) とは、空調や給湯用の温水を貯めておくタンクです。

大規模なものは主に学校や病院などの厨房や老人ホーム、食品工場など一度に多量の温水を使う必要がある施設に設けられますが、容量300L~500Lほどの小型のものはエコキュートなどの一時的にお湯を貯めておく給湯システムにおいて家庭でも使われます。

ステンレスなどでできたタンク部分と保温のための機構からなり、温度センサによって水温を計測し、熱交換器で目標温度まで加熱してタンク内に戻すことで一定の温度に保つ仕組みのものが一般的です。タンク内に加熱用のコイルが入っているものもあり、コイルありのものを関節加熱型、コイルなしのものを直接加熱型と分類します。

燃料フィルター

燃料フィルターとは

燃料フィルターとは、主に車の燃料に混入した異物や水分を除去するフィルターです。

異物には目の細かいフィルターで異物をすくい取るスクリーン式などが、水分には燃料より重いものを沈殿させる仕組みの沈殿式などが用いられます。車では燃料噴射装置の噴射口部分などについていることが多く、スクリーン式がよく用いられます。定期的な交換を要し、フィルターが目詰まりするとエンジントラブルにつながります。

また、暖房機器やバイクなどの燃料系統にも小型の燃料フィルターが組み込まれており、バイク用では樹脂製のケースの中にろ紙を入れて使うインライン式のペーパーフィルターがよく用いられます。

コンデンサー

コンデンサーとは

コンデンサーとは、電気を蓄えたり放出したりすることができる電子部品です。

絶縁体を導体で挟んだ構造をしており、電解・セラミックなど多くの種類があります。代表的な電解コンデンサは大容量ですが、その分サイズも大きくなります。また、極性の有無や周波数特性などに違いがあるため、用途によって使い分けが必要です。

コンデンサの主な用途として、蓄電とノイズの除去があげられます。蓄電は電流の担い手である電荷を貯めておくことができる性質を利用したもので、瞬間的に高い電圧が必要になる使い切りカメラなどで使われます。また、周波数特性により直流電流を通さない性質があるため、交流電流のノイズの除去にも使われます。オシロスコープはこの性質を利用しています。

セメントボード

セメントボードとは

セメントボードとは、セメントでできた主に壁の下地材などに用いられる板のことです。

セメントとは石灰石やけい石などの無機物を焼成して粉末状にしたもので、モルタルやコンクリートの原料として水を加えて使われます。このセメントを板状に形成して固めたものがセメントボードと呼ばれ、ガラス繊維などを埋め込んで強度を高めたものもあります。

無機材料のみで作られ吸水による膨張や風化が極めて起こりづらいため耐候性やカビ耐性が高く、ベランダや学校のエントランス、プールの床面、外壁などに使われることが多い建材です。また、柔軟性が高いため切断が容易で湾曲させることもでき、曲面を含む複雑な形状の外壁でも下地材として使用することができます。

エアロゲル

エアロゲルとは

エアロゲルとは、ゲルを乾燥させて溶媒を取り除くことで生成される多孔質の物体のことです。

低密度で熱伝導率が低いという特徴があり、固体としては最も軽くて断熱性が高い物体といわれています。エアロゲルの乾燥は、多くの場合超臨界流体と呼ばれる方法で行われます。超臨界乾燥とは、物体に含まれる溶媒を臨界点を超えるような極めて高温・高圧の状態にすることで液相から気相に状態変化する途中に超臨界状態にする特殊な乾燥方法です。こうすることにより、ゲルの収縮を抑え毛管力を持ったまま乾燥することができます。

エアロゲルの利点に、透明度が高いという点もあげられます。断熱性を持ち透明度の高い物質は珍しく、今後車や家屋の窓ガラスなどへの応用が期待されています。

溶接テーブル

溶接テーブルとは

溶接テーブルとは、溶接の際に素材を固定するツール(固定治具)を備えたテーブルのことです。

多くの場合天板部分の全面に穴が空いており、そこに専用のクランプなどを挿し込むことで素材を様々な角度で固定することができます。

主なメリットとして、作業効率の改善や溶接歪みの防止があげられます。金属を溶接する際、熱で母材が反り返ったり変形してしまう溶接歪みという現象が起こります。溶接歪みは熱で溶けた金属が変形したまま冷え固まることによって起こるため、溶接テーブルまたは製品に合わせた溶接治具により固定する必要があります。溶接テーブルは1台でさまざまな製品に対応できるため、多種の製品を製造する際に適しています。

タイヤインフレーター

タイヤインフレーターとは

タイヤインフレーターとは、タイヤの空気圧を調整する道具です。

多くの場合空気圧を測るための圧力計とエアーの充填・排気をするためのボタンやレバーからなり、エアーコンプレッサーに接続して使います。コンプレッサーは空気を取り込んで圧力をかけ、圧縮空気を作る装置です。この圧縮空気をタイヤに充填する際、圧力計のついたインフレーターを使うことで空気圧の調整がしやすくなります。

また、予め目標の空気圧を設定しておくことで自動的に充填をストップするもの、小型エアータンクを備えエアーを充填して持ち運べるものもあります。製品により測定範囲や最高使用空気圧に違いがあり、〜600kPa程度のものもあれば50〜1200kPaまで広く使用可能なものも存在します。

顔料

顔料とは

顔料とは、水や油に溶けない色材のことです。

ものを着色する色材には大きく分けて顔料と染料があり、染料は水や油などに溶けて着色したいものの繊維の間に入り込むことで染色します。対して顔料は繊維の間に入り込まず、色のついた粒子を樹脂などで布や紙の表面に接着して着色します。

無機顔料は天然鉱物または合成の金属化合物を原料とし、安価だが色が限られ彩度が低いという特徴があります。炭素の微粒子でインクジェットに使われるカーボンブラックなどが無機顔料にあたります。有機顔料は主に石油から作られる合成顔料で、高価ですが彩度の高い色を再現できます。プラスチック製品の着色には有機顔料が用いられることが多くなっています。

リン酸リチウムイオン電池

リン酸リチウムイオン電池とは

リン酸リチウムイオン電池 (リン酸鉄リチウムイオン電池) とは、正極にリン酸鉄LiFePO₄を用いたリチウムイオン二次電池です。

充放電が可能で、正極と負極の間に電解液が満たされ、セパレータと呼ばれる膜で分断された構造になっています。電源と接続すると正極側のリチウムイオンが負極に移動して電極間の電位に差が生じることで充電され、放電時は負極に蓄えられたイオンが正極に移動することで電流が流れます。

リン酸鉄リチウムは他の電池 (三元系リチウム、チタン酸リチウム) と比べてバッテリー密度が高く小型化しやすい・リン酸鉄の性質により高熱に耐えることができ、寿命も長いなどの利点があり、ポータブル電源などに広く使用されています。

焼却炉

焼却炉とは

焼却炉とは、廃棄物を焼却するための設備です。

主に各地域での可燃ごみの焼却処理に用いられており、規模により大型・中型・小型に分けられ、構造によってバッチ炉・連続炉に分けられます。バッチ式が人力で焼却物の投入などを行うのに対し、連続炉は投入から搬出まですべての工程を自動で行うため24時間連続して稼働することができます。

ごみの焼却処理に使われる代表的な焼却炉として、火格子 (ストーカ) 式焼却炉があります。火格子と呼ばれる格子状に組んだ火床の上を焼却物が流れ落ちながら段階的に焼却されていく形となっており、水分を飛ばす乾燥、勢いよく燃やす燃焼、燃え残りを処理する後燃焼と段階を踏んで火格子の間から灰を落としながら処理していきます。