カスタムIC

監修:YITOAマイクロテクノロジー株式会社

カスタムICとは

カスタムICとはユーザーの要求仕様に合わせて特定の用途、製品のために開発、設計、製造される特注のIC(集積回路)のことです。カスタムチップ、ASICとも呼ばれます。

カスタムICには開発から製造まで完全に新規対応となるフルカスタムICと、汎用ICをユーザーの要求仕様に合わせて設計・製造するセミカスタムICがあります。フルカスタムICに近づけば近づくほど製造費用は高くなり期間も長くなりますが、最適化された動作を期待できます。

カスタムICの特徴とメリット

カスタムICを開発するケースとしては以下の例が考えられます。

  • ユーザーの新製品開発に合わせてICの開発も依頼するとき
  • ユーザーが使用中のICが生産中止となり、同等仕様のICを別の半導体メーカーへ開発依頼するとき
  • ユーザーが基板の小型化等、製品を改良することに伴いIC周辺のディスクリート(半導体素子部品)をパッケージ化したICの開発を依頼するとき

上記のケースにおいて、標準のICを用いた開発を行うことも可能です。一方で標準ICを用いるためには、どのICをどのように組み合わせれば機能を発現されられるのか設計者自身が検討する必要があります。このような検討期間を省略する際にカスタムICの活用が有効です。

カスタムICの中にはゲートアレイ方式、スタンダードセル方式、エンベデッドアレイ方式があり、それぞれの開発費、消費電力、サイズなどは異なります。どのような要望でICを設計するかに応じてメーカーは最適な方式でカスタムICを設計しています。

本記事はカスタムICを製造・販売するYITOAマイクロテクノロジー株式会社様に監修を頂きました。

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ファウンドリ

監修:YITOAマイクロテクノロジー株式会社

ファウンドリとは

ファウンドリ

ファウンドリ(foundry)とは半導体製造業界において素子や集積回路の製造を受託する企業・サービスのことです。ファウンドリは半導体製造設備を所有しており、半導体メーカーやファブレス(自社の生産設備を所有しないメーカー)が開発・設計した製品のデータを基に、OEMで製造します。

製造を委託するメーカーやファブレスにとっては莫大なコストを要する半導体製造設備を自社で持つ必要がないこと、ファウンドリにとっては設備の保守運営に集中できることからファウンドリを活用した半導体の製造はお互いにメリットがある製造法といえます。

ファウンドリを活用した半導体製造のメリット

半導体製造工場の立ち上げには微細加工設備の導入などに莫大なコストが掛かります。また、半導体製造では微量の粒子の混入も許されず、非常に高いクリーン度が要求されます。さらに製造で使用する薬液やガス、純水も高純度であることが求められますし、配管などの設備からも異物が混入しないことが求められます。したがって半導体製造設備の保守・運営にも大きなコストが必要となります。

ファウンドリに製造を委託し、自社で半導体製造設備を持たないことによって半導体メーカーは工場の初期投資、維持費を負担する必要がなくなるだけではなく、タイムリーな生産も可能となります。またファウンドリの製造技術力は高い一方で、複数の企業の製品を並行して製造しており設備の稼働率が高いため、低コストで高品質な半導体を製造することができます。

このようなメリットから現在の半導体業界では製品の企画、設計を行うファブレスと製造を受託するファウンドリの分業体制が取られています。

ファウンドリへの委託製造

ファウンドリへ製造を委託する際の流れは様々です。仕様をファウンドリに伝えて設計から委託する場合や、CADデータをファウンドリに渡し、製造を委託する場合もあります。
また、ファウンドリがシリコンウェハの製造までを受託することもあれば、素子や集積回路の製造まで受託することもあります。

メーカーによってファウンドリへの要求は様々であり、実際の委託製造では委託側の要望に合わせてファウンドリが最適な製造法を検討することが多いです。

本記事はファウンドリを製造・販売するYITOAマイクロテクノロジー株式会社様に監修を頂きました。

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