外観検査装置

外観検査装置とは

外観検査装置

外観検査装置とは、製品の外観を検査する装置です。

大量生産による生産品の外観を検査することができます。装置を導入することで検品でかかる人件費の削減が可能であり、生産性を向上させて製品価格を抑えられます。また、人間の目では見落としやすい微細な欠陥や異常を高精度に検出し、品質を向上できる場合も多いです。

近年では、カメラや画像処理技術の向上により、微細な異物や欠陥の判定も可能となりました。製品や工程に応じて、さまざまな状況に特化した外観検査装置が製作されています。

外観検査装置は製造した製品の表面異物や汚れ・バリといった外観の検査を行い、瞬時に判定します。適用される外観検査の工程としては、製造途中工程や製品の組み立て工程などがあります。

外観検査装置の使用用途

外観検査装置は、多くの生産ラインで使用されています。食品包装や電子デバイス、医療機器、成型シートなど、業界はさまざまです。以下は用途の一例です。

1. 食品工場

食品包装においては容器のへこみや傷を検出するために使用されます。また異物などがないかといったことや、ラベルに印刷不良がないかどうかを検査します。

2. 医薬品工場

錠剤に欠けやヒビがないか、アンプルに異物が入っていないかどうかを検査します。

3. 電子機器工場

電子部品の形状や不良配線を検出することができます。ベアリングにおいては、錆・腐食やへこみを検査します。、また機器の表面や画面に傷や汚れがないかどうかなども検査が可能です。

4. 自動車工場

自動車部品に傷やバリがないか、表面傷や、塗装にムラがないかどうかを検査します。

外観検査装置の原理

画像処理検査方式はあらかじめ多数の合格品の画像を記録しておいて、それぞれの画素の濃淡を記録する方法です。一定の区画に区切った濃度差の平均値と標準偏差を求め、その値と検査対象の画素値を区画ごとに比較します。

合格品と比較して大きく濃度が異なる場合には、傷や異物として判断します。傷や異物の寸法基準を登録しておくことで合格、不合格を判断するという仕組みです。誤検出を防ぐために、微分処理や投影処理が行われる場合もあります。

外観検査装置の動作は一般的に高速で、全数検査が可能です。ただし、装置自体の導入コストが比較的高額です。また、対象物の形状や外観検査基準に応じたソフトウェアの最適化が重要で、立ち上げまで時間がかかる場合があります。以下は、外観検査装置の主な構成です。

1.  カメラ

製品を撮影するカメラです。高画質のカメラを使用することで、より詳細な検査が可能になります。

2.  照明

製品を均一に照らす照明です。照明の種類や角度を変えることで、検査対象となる欠陥をより鮮明に映し出すことができます。

3. 画像処理装置

外観処理装置の画像処理装置は、カメラで撮影した製品画像を分析することで、製品の欠陥を自動的に検出する装置です。目視検査に比べて、人間の目よりも精度が高く、安定した検査が可能です。

4. 排出装置

不良品を自動で排出する装置です。

外見検査装置の選び方

外観検査装置を選ぶ際には、製品や産業の要件に合わせて適切な装置を選びます。一般的には個別に設計して製作します。

まずは何を検査するかを明確にすることが重要です。製品の種類や材料、表面特性などに応じて適切な装置を選びます。特定の外観欠陥や品質基準を定義し、それに基づいて装置を設定できるかどうかも考慮することが必要です。

製造ラインに導入する際は、外観検査の速度と精度も重要です。高速な製造プロセスに対応し、所定の品質基準を満たす精度を持つ装置を選びます。

また、外観検査装置のカメラとセンサーには、さまざまな種類があります。製品の特性に合わせて適切なカメラの解像度、光源の種類、センサーのタイプを選ぶことが大切です。

外観検査装置のその他情報

1. 外観装置検査の機能

近年では、外観検査装置と人工知能 (AI) とを組み合わせ、より高度な外観検査や品質管理を実現するのがトレンドです。人工知能は機械学習や画像処理のアルゴリズムを活用して、大量のデータを解析し学習することができます。これにより、さまざまな機能が実現可能です。

欠陥検出
学習済みのモデルを使用して異常なパターンや欠陥を検出することができます。例えば、不良品の画像データを学習し、それを基に製品の外観を判定することができるため、より高い精度で欠陥を検出することが可能です。

パターン認識
複雑なパターンや形状を認識することが得意です。外観検査装置に搭載されたAIは、製品の外観パターンを学習し、正常な外観との比較を行います。異常なパターンや形状が検出されると、不良品として判定することができます。

自動学習と改善
外観検査装置が取得するデータを分析し、自動的に学習や改善を行うことができます。不良品のデータや検出結果をフィードバックし、モデルを更新することで、検査の精度や効率を自動的に向上させることが可能です。

多品種少量生産への対応
従来の外観検査装置では、品種の切り替え (段取り替え) に人間の手間がかかります。そのため、頻繁に段取り替えの生じる多品種少量生産だと、効率が落ちるという問題が生じます。これに対して、人工知能では、同時に複数の品種の学習を行わせることで、検査の段取り替えを最低限にすることができます。

人工知能を組み込んだ外観検査装置は、より高速かつ正確な検査を実現し、人間の目では見逃しがちな微細な欠陥やパターンを検出することが可能です。

2. 外観検査装置と人による外観検査の使い分け

外観検査装置と人による外観検査は、それぞれ特定の状況や要件に合わせて使い分けることが一般的です。

外観検査装置
外観検査装置は高速で一貫性のある検査を提供し、製造プロセスの効率性を向上させます。機械的な精度を持ち、連続的な監視が可能です。したがって、高速な製造ラインや大量生産が必要な場合や、検査対象が微細な部品である場合などに使用されます。

人による外観検査
人による外観検査は、新しい検査基準や変更に対応しやすく、柔軟に作業を調整できます。また、視覚的な経験や判断力を活用することも可能です。製品の外観基準が主観的で人間の判断が重要な場合や、小規模生産や試験生産では人が外観検査を実施します。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/landing/req/vision/lp_visual-inspection_01070123.jsp

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