ヘリコプター

ヘリコプターとは

ヘリコプター

ヘリコプターとは、回転翼を使って垂直に浮上して飛行することができる航空機の1種です。

国土交通省航空局によると、ヘリコプターは「重要な揚力を一個以上の回転翼から得る回転翼航空機」と定義されています。ヘリコプターの名称は、ギリシャ語で螺旋の意味を持つ「へリック」と翼の意味を持つ「プロテン」が語源です。

ヘリコプターの使用用途

ヘリコプターは、高い機動性と縦方向への移動能力を持っているため、さまざまな分野で使用されています。

1. 救助活動

災害時には救助活動に使われ、地震や洪水の被災者を救出できます。山岳地帯や森林地帯での救助活動にも使用され、効率的な救出が可能になっています。

2. 救急搬送

救急搬送する際に使用されるヘリコプターは、ドクターヘリと呼ばれています。

3. 取材

報道機関による取材などで使用されるヘリコプターは、報道ヘリと呼ばれています。

4. 消防活動

消防活動でも、火災現場に水をかけることができる消火ヘリコプターが使用されています。

5. 監視・偵察・輸送活動

ヘリコプターは、警察や自衛隊による監視や偵察、輸送活動にも使用されます。

6. 撮影

大型ヘリコプターは、航空写真撮影や映像撮影にも使われ、映画やテレビドラマの撮影現場でよく目にします。

7. 森林保護

農業や林業でも、農薬散布や森林保護のための作業に使用されることがあります。

ヘリコプターの原理

ヘリコプターは、自ら回転翼を回転させることで、回転翼に風を当てて揚力を発生させています。主回転翼のピッチ (羽根の角度) を変化させることで、揚力の調整を行い、機体を上昇・降下させることができます。

また、主回転翼を前後に傾けることで、機体の前進・後退が可能です。さらに、主回転翼を左右に傾けることで、機体の旋回ができます。回転数を変えれば、飛行速度や高度が制御されます。

また、ヘリコプターは、テイルローターと呼ばれる小型の回転翼を持っています。テイルローターは、主回転翼とは逆向きに回転し、主回転翼によって発生する反トルクを相殺する役割を担っています。

ヘリコプターの構造

ヘリコプターは、主回転翼 (メインローター) 、テイルローター、エンジン、操縦席、胴体などで構成されています。

1. 回転翼

主回転翼は、機体上部にあり、回転する翼で、ヘリコプターの揚力を発生させます。テイルローターは、主回転翼とは逆向きに回転し、操縦席の後ろに取り付けられています。

2. エンジン

機体の下部に設置されており、主回転翼やテイルローターを駆動します。一般的に、ヘリコプターにはターボシャフトエンジンが使用され、高い出力を発揮できます。

3. 操縦席

ヘリコプターの中心にあり、操縦席でパイロットが操縦を行います。操縦席には、操縦スティック、ペダル、計器類などが備えられています。

4. 胴体

主回転翼やテイルローターを支持する部分で、乗員や貨物を運ぶためのスペースも含まれています。胴体の形状は、機種によって異なりますが、一般的には円筒形や箱型が多く使われます。

ヘリコプターの種類

ヘリコプターの分類方法としては、様々な分類方法がありますが、ここでは主回転翼数でヘリコプターを分類したシングルローターとツインローターとマルチローターの3種類を説明します。

1. シングルローター機

ほとんどのヘリコプターはシングルローター機で、1つのローターを持ち、テールローターが不可欠ですが、構造が簡単で部品数が減り、重量も軽くできます。

2. ツインローター機

2つのローターを持ち、それぞれが逆に回ることにより、ローターのトルクの影響をお互いに打ち消す方式です。テールローターが不要なため安全面でも有利ですが、重量面では不利です。ツインローターには、同軸反転式、タンデムローター式、サイドバイサイドローター式、交差双ローター式があり、それぞれに利点と欠点があります。

3. マルチローター機

ローターを3つ以上もつもので、一般的にはドローンやマルチコプターと呼ばれるものがこれに当たります。マルチローター式は、主に垂直離着陸を行うことが可能で、非常に機動性が高いため、広い範囲を撮影するなどの目的に適しています。

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