ハンググライダー

ハンググライダーとは

ハンググライダー

ハンググライダーとは、動力を持たず、翼にかかる揚力だけで飛行する、競技用またはレクリエーション用の航空機です。

大型の三角の翼と、コントロールバーから成るグライダー部分、操縦者とグライダーを繋ぐハーネス部分から構成されます。ハンググライダーは、高い起伏のある地形にある丘や山の上から飛び降り、風に乗って滑空できます。

ハンググライダーの名称は、操縦者が機体に吊り下げられた状態で、空中を滑空するため、吊り下がった状態である「ハング」と滑走機である「グライダー」とを合わせ造語です。

ハンググライダーの使用用途

ハンググライダーは多くの場合、レクリエーション、または競技のために使用されます。レクリエーションは、特に、風光明媚な山岳地帯や海岸地域で、自然の景観を楽しみながらの飛行ができます。

ハンググライダー競技には、大まかにクロスカントリー競技と、パイロンレース競技があります。クロスカントリー競技は、スタート地点からどれだけ遠くまで飛べたか、距離を競う競技です。世界記録は飛行距離700km以上、飛行時間は9時間にも及ぶほどの遠距離飛行が可能です。

一方、パイロンレース競技は、あらかじめ用意されたポイントからフライトコース を組み、全員が同じコースをフライトして、スタート地点からゴール地点までの飛行時間の速さを競います。

ハンググライダーの原理

ハンググライダーは、重力と風の力によって上に押し上げられる揚力のバランスによって飛行します。三角形の翼があり、この翼面に空気が流れることで揚力を発生させます。

風上に向かって滑走し、風の力で揚力を得ることで空中に浮上します。浮上後は、パイロットが自分の体重を使って操縦します。パイロットは、コントロールバーと呼ばれる操縦装置を使ってハンググライダーを傾け、重心を変えることで方向を変えたり、上昇気流に乗せたりして操縦可能です。

操縦者は降着装置であるランディングギアを持たずに、身体のみによって離着陸を行います。よってハンググライダー自体の重量は、20キログラムから45キログラム程度と比較的軽量となっています。

ハンググライダーの構造

ハンググライダーの構造は、大きく分けると以下の2つの部分から成り立っています。

1. グライダー

グライダーは、翼とコントロールバーの部分に分けられます。翼の部分はアルミニウム合金やカーボン繊維強化プラスチックで作られた骨組みに、ポリエステル系の合成繊維の布が張り付けられバテンと呼ばれる細いパイプや、ワイヤによって、翼の強度が保持されています。

コントロールバーもアルミ合金やカーボン繊維強化プラスチック製で、翼の中心部分から下に向かって付けられています。

2. ハーネス

ハーネスは、操縦者とグライダーを繋ぐ部品です。ハーネスにより操縦者はハンググライダーの重心付近に繋がれます。形は身体の一部だけか全身を覆うようになっており、ハーネスとグライダーはカナビラなどによって接続されています。また、緊急時に備えて、ハーネスに緊急用パラシュートが収納されています。

ハンググライダーのその他情報

1. ハンググライダーを行うための資格

ハンググライダーで飛行するには、まず日本ハング・パラグライディング連盟 (JHF) へのフライヤー登録が必要です。また、安全に飛行するためにJHFの技能証制度が設置されており、フライトエリアによっては技能証の携行とフライヤー登録が義務付けられています。

技能証を取得するためには、ハンググライダースクールに入校して、JHF技能証規定のカリキュラムに沿った講習を受け、フライヤー登録を行い、技能に関する検定を受けて合格する必要があります。

2. ハンググライダーを行うための費用

ハンググライダーを行うために、ライセンス取得費、機材費、活動費、維持・管理費などが必要になります。ライセンス取得のための講習費用は、数万円から数十万円程度です。

また、機材費が最も高く、グライダー、ハーネス、ヘルメット、パラシュート、無線機など、フライトに必要なものを揃えると、安価なもので70万円ほどになります。

活動費はフライトに行くための費用で、これはフライト場所への距離や宿泊費により変わりますが、約3万円かかります。テントや車中泊を選べば1万円以下に抑えることも可能です。維持・管理費はフライトに行かなくてもかかる費用で、機体保管料、エリア登録費、フライヤー登録費用などがあり、年間で5万円ほどかかります。

全ての費用を含めると、ハンググライダーを行うためには多額の費用がかかることになります。

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