ブチルテープ

ブチルテープとは

ブチルテープ

ブチルテープとは、ブチルゴムを原料に製作されたテープです。

優れた防水性を持っており、屋根や窓など、水の侵入を防ぐ必要がある場所で使用されます。雨水や湿気から保護し、建物内部への侵入を防止することが可能です。耐候性も高く、長期間の屋外使用に適しています。

また、多くの表面に強力な接着力を発揮し、しっかりと密閉・固定が可能です。これにより、異なる素材の接合や補修に役立ちます。切断が容易であり、使用に際して特別な道具や専門知識が必要ありません。

ただし、ニトリルゴムやシリコンゴムに比べ、ガソリンなどに対する耐油性や耐火性は劣ります。低温環境では硬化し、高温環境では柔らかくなることがあるため、適切な温度範囲内での使用が重要です。製品の指示に従って適切な温度条件で適用することが大切です。

ブチルテープの使用用途

ブチルテープはその優れた密封性や接着性から、さまざまな用途で使用されます。以下はブチルテープの使用用途です。

1. 建設現場

ブチルテープは屋根材の接合部分などに使用され、雨水や積雪から建物内部を保護します。一般的な屋根材には瓦やスレオートなどがあり、これらの防水補助に使用されることが多いです。ブチルテープは屋根の耐久性と防水性を向上させ、屋根の寿命を延ばします。

また、窓やドアの枠周りにブチルテープを適用することで、気密性を確保し、外部からの気温の影響や雨水の浸透を防ぐことが可能です。これにより、エネルギー効率の向上と快適な室内環境を実現できます。

2. 自動車

自動車の外部部品やシーリング部分にブチルテープが適用され、雨水や湿気から車内を保護します。これにより、腐食や内部損傷を防ぐことが可能です。また、自動車の内装の一部にも使用可能で、振動を吸収して静音性を向上させます。

3. 船舶

船舶のハッチやデッキなどでブチルテープが使用され、海水や雨水の侵入を防止します。特に、海洋環境における堅牢な防水が重要です。船内の電気配線やケーブルのシーリングにも使用され、水の侵入を防ぎます。

ブチルテープの原理

ブチルテープの密封および接着の原理は、主にブチルゴムの物理的特性に基づいています。ブチルゴムはポリイソブチレンと組成が類似した合成ゴムの一種です。イソブチレンと少量のイソプレンを重合することによって合成されます。

ブチルゴムは非常に柔軟で伸縮性があります。これにより、異なる表面の凹凸や不均一な形状に対応することが可能です。さまざまな材料にしっかりと密封できる柔軟性を持っています。

また、ブチルゴムは多くの表面に対して優れた接着性を発揮します。これはブチルゴムが表面に密着し、微細な隙間や凹凸に沿ってフィットするためです。表面にブチルテープを適用すると、ブチルゴムが接触面にしっかりと密着し、接合部を密閉します。

水分や気体の浸透を防ぐことも可能です。適切に適用されると、水分や空気の侵入を防ぐことで、水密性や気密性を確保します。耐候性にも優れており、太陽光や温度変化、湿度の影響に対して安定して性能を発揮します。

ブチルテープの選び方

ブチルテープを選ぶ際は、幅や長さを考慮します。

1. 幅

幅はブチルテープの横幅です。広い箇所への適用は横幅が大きな製品が有利です。ただし、狭い箇所には細いテープでなければ入らない可能性があるため、適用箇所に応じて選定します。

2. 長さ

長さはブチルテープの分量です。長い製品は多量に巻くことができます。余らないように選定することが重要です。

ブチルテープのその他情報

1. ブチルテープの使い方

ブチルテープを使用する際は2〜2.5倍に引き伸ばしながら対象物に巻きつけます。対象物に巻き付ける際、一周でブチルテープ同士が被る部分を幅の半分程度に調節しながら巻きます。必要な厚みになるまで、重ねながら巻くことが重要です。

巻き終わりは、中央部において張力を無くした状態でブチルテープを切ります。 端末部は引き伸ばすことなく対象物に押し付け、全体を指で押さて接着させます。端末部を引き伸ばすと、端末剥離が発生する可能性が高くなるため注意が必要です。

2. ブチルテープと防水テープの違い

ブチルテープは防水テープの一種です。一般的に防水テープは気密性・防水性に優れ、粘着性も高いテープを指します。防水性が高いため、屋外でも使用されます。壁面や床面のすき間を塞いだり、水道漏れや雨漏りの補修など、用途は幅広いです。

ブチルテープは防水テープの中でも、未加硫のブチルゴムを活用しています。防振性に防水性に優れているため、自動車や建材用途で使用されます。

参考文献
https://in.misumi-ec.com/pdf/fa/p1483.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu/88/12/88_473/_pdf/-char/ja
https://www.nittoshinko.co.jp/products/self-fusing-tape/guide.php
https://electrictoolboy.com/media/44324

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