液面センサー

液面センサーとは

液面センサー

液面センサーは、タンクや容器に入った液体の液面の高さを計測するための測定装置です。これによって、液体を貯蔵しているタンクなどの残量などを調べることができます。単純に液体が有るか無いかだけを検出するものと、連続的に測定を行うことで、残量のパーセンテージなどを算出することができるものがあります。レベルセンサーなどとも呼ばれることがあります。液体センサーの中には、砂などのような粒子状の固体にも流用できるものがあります。

液面センサーの使用用途

産業分野において、材料となる液体や洗浄に使用する溶媒などは、密閉された中の見えない容器に貯蔵されていることがあります。液面センサーを使用すれば、容器を開放して中の液体の状態を調べなくてもよいので、特に石油の精製プラントや水処理場など大規模な施設で、タンク残量のモニターを行ったり、飲料、食品の製造工場、紙・パルプの生産現場でよく使用されたりしています。また、残量だけでなく、液体の劣化や品質などを調べる目的でも使用されます。

液面センサーの原理

液面センサーには、さまざまな種類のものがあり、それぞれ異なる原理で動作しています。代表的なものは以下の4種類です。

1. フロート式

タンクの上下に、ワイヤーを内蔵した管を取り付け、その管に沿って液面と連動して上下する磁石でできたフロート(浮き)を液面に浮かべます。フロートの上下と管内部のワイヤーが連動して変化した距離から液面レベルを測定します。

2. 超音波式

液面に向けて超音波を発信して反射させ、受信までの時間を計測することで、センサーから液面までの距離を計測します。

3. 静電容量式

タンクの壁から少し離れた位置にセンサーを配置し、壁とセンサー間の静電容量をモニターします。センサーと壁の間に液体があれば静電容量は大きく、空であれば静電容量は小さくなります。

静電容量式液面センサーの測定原理を図に示します。

液面センサーの測定原理

図1. 液面センサーの測定原理

ここでは、タンクの壁が金属製であることを前提としています。液体が非導電性である場合、液面の高さが高くなるほど、液体由来の容量成分の寄与が増大します。

一般に、非導電性液体の比誘電率は空気の比誘電率より大きいことから、モニターされる静電容量の値は、液面の高さが高いほど大きく、液面の高さが低いほど小さくなります。この関係を既知の関数としてあらかじめ取得しておけば、センサー出力の実測値から液面の高さを決定することができます。

一方で、液体が導電性の場合は、液体由来の容量成分が存在しないため、センサー電極を絶縁体(一定の比誘電率を有する誘電体)で被覆し、液面高さの変動に基づく空気由来の容量成分の変動を効果的に検出できるような構成とすることで、同様に液面の高さを決定することができます。

4. 光学式

赤外線LEDと受光部によって構成されており、液体が無いときは赤外線が受光部に到達するように光学系が設計されています。センサーが液体に浸されると、屈折などにより受光部に光が届かなくなるので、液面上昇を感知することができます。

非接触式の液面センサー

非接触式の液面センサーには、超音波式、電波式、レーザー式、放射線式、重量式、直視式のものが知られています。

超音波式は、超音波が液面から反射して戻ってくるまでの時間を測定します。液体の種類に依存せず測定することができる一方、結露や障害物に弱いという特徴があります。

電波式は、電磁波が液面から反射して戻ってくるまでの時間を測定します。耐環境性に強いという特徴がある一方、高価であること、装置のサイズが大きく、重いという短所があります。

レーザー式は、半導体レーザーを使い光の液面からの反射を利用して測定します。スポット径が小さいためタンク内の障害物の影響を受けないという特徴があります。一方で高価であること、またレーザの安全管理が必要となります。

放射線式は、ガンマ線の透過と吸収を利用して測定します。有毒、高温、腐食性の高い悪環境でも使用できる一方、人体に対するリスクが生じうるため安全管理が必要となります。

重量式は、タンクごと重量を測定することで液面を測定します。タンク内の影響を受けないというメリットがある一方、泡などの液比重の変化に弱いという特徴があります。

直視式は、目視で確認する方法です。最も安価に実行できますが、汚れたら清掃が必要であり、自動化が困難というデメリットがあります。

電極式の液面センサー

電極式の液面センサー(レベルスイッチ)は、可動部のない電気的なレベルセンサとして、鉄鋼・食品・化学・薬品・半導体などの諸工業や農業水・浄水場・汚水処理などの液面制御に汎用的に幅広く使用されています。

測定に際しては、アース電極と検出電極間に交流電圧を印加します。このとき、電極間が液体に接触してなければ電流は流れませんが、電極間が液体に接触していると電流が流れます。この原理を利用することにより導電性の液体のみを検出することができます。

装置は、電極保持部、プロセス接続、電極棒、リレーユニットで構成されています。リレーユニット以外に電子部品はなく可動部もないためシンプルな構成です。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/levelsensor/basics/type.jsp

https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/levelsensor/type/electrode.jsp

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