インチねじ

インチねじとは

インチねじ

インチねじとは、ねじの基本となる寸法がインチ単位で規格化されたねじのことです。

日本で広く普及しているねじはメートルねじで、基本となる寸法はメートル単位で規格化されています。インチねじはアメリカ、イギリス、カナダで広く使われています。

インチねじの使用用途

インチねじは主に以下の用途で使われています。

  • 土木建築: 電気、水道、空調機器、配管
  • PC関連: ハードディスク、筐体ケース
  • 精密機器: カメラ
  • 音楽機器: ドラム、スピーカー

その他、航空機や輸入家具にも使用されています。

インチねじの原理

インチねじの原理は、通常のねじの原理と同じです。ねじの斜面を使って重たいものを持ち上げることによって、ねじ本体を引っ張り、大きな締結力つまり軸力を発生させます。ねじを締め付けても弛まないのは、ねじの斜面に摩擦力があるためです。重力の斜面成分の分力よりも摩擦力が大きいことによって、弛まずに締結力が保持されます。

インチねじの種類

インチねじは、「ユニファイねじ」と「ウィットねじ」に大別されます。

1. ユニファイねじ

ユニファイねじは、アメリカのANSI (アメリカ国家規格協会) によって定められた規格です。ユニファイねじにはさらに2種類あります。「ユニファイ並目ねじ」と「ユニファイ細目ねじ」です。細目ねじは並目ねじよりも、ねじ山の間隔 (ねじピッチ) を小さくしたねじです。ピッチが細かいほうが緩みにくい性質がありますが、締結時に多く回さなければならないので、作業性は低下します。並目と細目の2種類があるのは、メートルねじでも同じです。

2. ウィットねじ

ユニファイねじ以外のインチねじとして、ウィットねじがあります。ウィットねじは世界で初めて規格化されたねじとして知られています。メートルねじやユニファイねじのねじ山角度が60°であるのに対して、ウィットねじは55°で定められています。日本では1968年にウィットねじを規格化したJISが廃止されましたが、一部の業界ではまだ使用されています。 

インチねじのその他情報

1. 取扱上の注意

インチねじでも取扱上で注意すべき点はメートルねじと変わりません。ただし、インチねじのねじ穴に、メートルねじを使ってしまうなどという誤使用を避けるように気を付ける必要があります。ねじだけを見ても、メートルねじなのかインチねじなのかを見分けるのは困難です。

ノギスなどを用いてねじの外径やピッチを測る必要があります。規格がわからないねじ穴にねじを締め付ける際に異変を感じたら、無理に作業せずねじのサイズを測ることを推奨します。

2. インチねじの表記

インチねじであるユニファイねじは、ねじの太さ (呼び) や長さを、1インチを8等分を基準にした分数で表記します。この分数について日本では、以下の例のように呼ばれています。

  • 1/8: いちぶ (一分)
  • 5/32: さんにのご
  • 3/16: いちぶごりん (一分五厘)
  • 1/4: にぶ (二分)

また、並目ねじは略号UNC、細目ねじは略号UNFが付けられています。インチねじの表記はこれらの分数や規格を用いて、①ねじの呼び (太さ) 、②ねじの山の数、③規格、 ④長さの順に記します。例としては以下のようになります。

1/4-25UNCx5/8

もう一つのウィットねじはWをつけて表記します。

参考文献
https://www.onoue1950.co.jp/nejichishiki/kikaku/3191/
https://www.tsurugacorp.co.jp/dictionary/inch/inch_screw.html
https://www.rakuten.ne.jp/gold/nejiya/chiebukuro/info_inchikikaku.html
https://www.tsurugacorp.co.jp/special/inchkoneji.html

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