ピンホール検出器とは
ピンホール検出器とは、ピンホールと呼ばれる装置欠陥を検出するための装置のことです。ピンホールとは製品の製造過程でできてしまう小さな穴のことで、目に見えないほど小さなものがほとんどですが装置の不具合などを引き起こす危険があります。主に衝撃や移動時の振動などで発生しますが、金属のメッキや溶接過程においては発生するガスや空気が冷えて気泡だけが残ることによって発生します。ピンホール検出器は様々な方法でこれらの小さな穴を見つけることができるのです。
ピンホール検出器の使用用途
ピンホール検出器はピンホールを検出することで製品の欠陥や装置の不具合などを防ぐために使われますが、ピンホールが発生する場面は様々です。例えば、食品の容器や包装製品です。これらは衝撃が加わったり振動によって摩擦が生じたりするとピンホールが発生します。ピンホールは内容物の漏れや腐食を引き起こす可能性があるので、すぐに見つけなければなりません。また、メッキや塗装の際にも用いられます。塗装時に発生するガスによってピンホールが生まれる可能性があるのです。ピンホールによって汚れがたまったり腐食の原因になったりするので、ピンホール検出器を用いて見つけます。
ピンホール検出器の原理
ピンホール検出器には様々な方式があります。ここでは代表的な検査方法の原理や特徴などをいくつかご紹介します。
- 気泡検査
ピンホールを調べたい面に気泡を発生させる発泡液を塗ります。微小な穴があれば裏側から気泡が発生しピンホールを検出することができるのです。しかし、小さなピンホールの場合は時間がかかるので適していません。 - 超音波検査
微小な穴によって発生する超音波を検出することでピンホールを見つける方法です。ピンホールのある容器に圧縮した空気を入れると穴から空気が漏れ出ます。これは超音波となって周囲に広がるため、検出器で調べます。発生した超音波の位置や大きさからピンホールの位置や大きさを調べることができるのです。 - 放電式検査
放電現象を利用してピンホールを検出する方法です。調べたい面の表裏に電極を取り付け、高電圧をかけます。穴の部分に電圧がかけられると空気の絶縁は破壊され、放電が発生して電流が流れます。この放電による電流の変化からピンホールの有無を検出しているのです。しかし、絶縁体に発生したピンホールでなければ利用できない方式です。また、塗装面や薄膜の場合、高電圧によって傷つけてしまう恐れがあるので注意が必要です。