タンクコンテナとは
タンクコンテナとは、液体や気体を輸送するタンク型の容器です。
タンクコンテナは、主にISO規格に基づいた輸送用のコンテナを指します。ISOのタンクコンテナは、規格に基づいて設計・製造され、安全性も非常に高く、海外への輸送も可能です。
一般的なドライコンテナなどと大きく異なっており、タンク本体を外枠で支える構造をとっています。20ftサイズのドライコンテナと外寸が同じであり、コンテナ輸送用のトラックシャーシに積載して、運搬が可能です。
タンクコンテナの使用用途
タンクコンテナでは、果汁や天然水、ワイン、醤油などの食品や、パーム油や牛脂などの食品の原料、及び医薬品などが輸送可能です。そして、液体化学製品や石油原料などの危険物まで、液体であるものなら、何でも対応できます。
また、タンクコンテナの中には、アルゴン、炭酸ガス、エタンなどのガスを輸送可能なものもあります。
そのため、タンクコンテナは液体を輸送する運送会社や船会社だけでなく、食品会社、化学品会社などでも使用されます。
タンクコンテナの原理
タンクコンテナは、強度が大きいフレームの中に固定されたものです。そのため外力による損傷などの発生がなく、安全です。ISO規格では、厳しい試験が必要で、安全面で安心して使用できます。
タンクローリーとは異なり、一定量毎に内部が仕切られておらず、1室構造になっていため、積み荷の積み降ろしや洗浄が容易です。
液体の充填、排出や保全などに必要な付属設備を全て完備しているため、安全に取り扱うことが可能です。また、輸送中の品質保持も万全で、積み替えなしのシームレスにドアからドアへの輸送が可能になります。さらに、ISO規格に準拠しているため、利用側で特別な器具を設置する必要はなく、充填や荷降ろし可能なため、労務時間及びコストも削減可能になります。
タンクコンテナの種類
ISO規格のタンクコンテナの容量・サイズは、次の通りです。
容量は、11~14kl、17.5kl、21~26kl、サイズは外寸で、長さ6,058mm、幅2,438mm、高さは11~14klが1,980mm、17.5klが2,438mm、21~26klが2,591mmです。自重は、約2,800~3,890kgであり、仕様により差異があります。
以下の例のような、特殊仕様のタンクコンテナもあります。
- ガスコンテナ:ASME (アメリカ機械学会) 規格、LNG・LPGなど
- アスファルトコンテナ
- 左右配管仕様のコンテナ
- 温度制御機器付きコンテナ
タンクコンテナのその他情報
1. タンクコンテナ導入のメリット
ISO規格のタンクコンテナは、安全性が高く、世界各国へ輸送ができます。
路上・鉄道・船上の複合一貫輸送に対応が可能で、一時保管にも使用できます。積み替えなしで、ドアからドアまで運べます。
一度に大量輸送が可能です。例えば、26klのタンクなら、ドラム缶130本分の液体が輸送できます。
環境に優しい輸送機器です。パレットや梱包材などが不要です。コンテナはフレームに固定されており、積み重ねて輸送や保管が可能です。
2. タンクコンテナの運用上の注意
ISO規格のタンクコンテナは、2.5年毎に中間検査をし、5年毎に定期検査の受検が必要です。
コンテナの充填率は、80~95%にします。これはIMDG (国際海上危険物規定) に定められています。充填率が80%以下の場合は、タンク内部に防波板が必要です。
タンクコンテナは、フォークリフトでの運用はできません。
3. タンクコンテナによる危険物輸送
危険物の海外輸送には、国際連合が定める「危険物輸送に関する勧告」 (通称オレンジブック) があります。
オレンジブックに定められているのは、危険物の運送で使用すべき品名・国連番号 (UN番号) 、クラスごとに表示すべきラベル (標札) 、国連分類、輸送用容器 (包装・梱包方法) に関する要件などです。
例えば、国連番号は、物質に番号が付けられており、「UN○○○○」と表示します。これにより、世界各国で物質が何かを知ることができます。
参考文献
https://www.nissin-tw.com/service/tank/transport/
https://www.ef-international.com/tank-container/tank-container.html
http://www.tanksystem.co.jp/service/iso.htm