ニームケーキ

ニームケーキとは

ニームケーキとは、肥料・土壌改良剤の一種です。

インドで自生するニームの果実を圧搾機で絞って液体を抽出したのがニームオイル、残った固形分がニームケーキです。ニームケーキに使用される部位によって、効能が異なります。

ニームの有効成分としては、アザディラクチンを含む20種類以上が確認されています。ニームケーキには肥料効果の他、高い土壌改良効果もあり、有用微生物を増やすことで、根が生長しやすい環境を作り出せます。

ニームケーキの使用用途

ニームケーキは害虫対策として、園芸、家庭菜園、農業といった幅広い分野で利用されています。特にセンチュウやネキリムシ、ヨトウムシなどの土壌に害をもたらす虫の駆除に効果的です。

また。害虫対策だけでなく、土壌改良効果も期待できるため、農地として若い土地の整備にも適しています。具体的には、野菜ではトマトやミニトマト、ナス、きゅうり、ハーブなどの栽培です。バラなどの花や、リンゴなどの果樹に対しても効果を発揮します。

長所

1. 植物を病害虫から守る
ニームケーキを用いることで、大切な植物を病害虫から守ることが可能です。理由としては、ニームケーキに含まれるアザディラクチンという成分が、病害虫の成長ホルモンの働きを阻害することが挙げられます。具体的には、病害虫の脱皮や羽化を防いだり、病害虫の食欲を減退させたりする効果が期待できます。

2. 安心して使用できる
一般的に、防虫や殺虫の効果がある薬剤等は、植物や土壌への影響が不安視される場合も少なくありません。その点ニームケーキは植物由来の成分から作られるため、植物や土壌だけでなく、人間や動物などにも無害です。

実際にニームケーキは家畜の飼料に使われたり、お茶として飲まれたりすることもあります。このようにニームケーキは、天然の防虫剤として使用することが可能です。

3. 土壌改良効果が期待できる
ニームケーキを土壌に撒いてしばらくすると、真っ白いカビのようなものが発生します。これは病原菌の抑制や有機物の分解に役立つ放線菌です。放線菌には発病抑止力があるため、土壌病害を防ぐことができます。

さらに植物の根の張りが良くなったり、有機物を分解する酵素の働きにより肥料吸収の効率が高まったりする効果も期待できます。

短所

1. 効果が持続する期間が短い
ニームケーキの効果が持続する期間は、およそ1~2ヶ月ほどとされています。そのため、ニームケーキを効果的に使うためには、定期的に土壌へ追加することが必要です。作業効率を求めるのであれば、他の肥料等の使用を検討することもおすすめです。

2. 害虫が発生する前に使用する必要がある
ニームケーキは種まきや植え付けと同時に使用する必要があります。これはニームケーキが、病害虫の発生後では十分な効果を発揮できないからです。ニームケーキを使用する場合は手遅れになることがないよう、あらかじめ準備しておくことが大切です。

ニームケーキの種類

ニームケーキには、使用する原料によって種類が分けられます。具体的には、果実を丸ごと使ったもの、種子だけを使ったもの、種子の殻を取り除いた後に残る核だけを使ったものがあります。この3種類の中で有効成分が最も多く含まれるのが、核だけを使ったタイプのものです。

また、実際に販売されているニームケーキには、たばこやハーブ、マリーゴールドなど天然由来の成分と組み合わせたものなど、様々な種類のものがあります。

ニームケーキの選び方

ニームケーキは目的に応じて、適切な種類のものを選ぶことが大切です。またニームケーキの有効成分は分解されやすいため、短期間で使い切れる量のものを選ぶことも大切です。開封後は半年以内で使い切れるよう、計画的に使うようにします。保管場所には、直射日光の当たらない通気性の良い場所が最適です。

ニームケーキの使い方

ニームケーキは週に1回程度、土に撒いて使用します。土中に深く混ぜ込むのではなく、浅く広く撒くことで効果が出やすいのが特徴です。なお、目の前の害虫を退治したいのであれば、より速効性のあるニームオイルとの併用がおすすめです。

ニームオイルは希釈して植物に吹きかけることで、病害虫の予防だけでなく植物に栄養分を与える効果も期待できます。

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