温水洗浄機

温水洗浄機とは

温水洗浄機

温水洗浄機 (英: hot water washing machine) とは、温水を使った洗浄機です。

温水を使用することでなかなか落ちにくい油汚れの除去や殺菌効果があり、広く活用されています。通常洗浄力を高めるため、高圧の温水を使用したものが主流です。

屋内で使用されるものだけでなく、屋外で使用される自動車洗浄機や、AC電源を必要としないエンジンで動かす機械も各種製作されています。高圧温水洗浄機は、吐出圧力10MPa前後、温水の最高温度80℃ぐらいが一般的です。

温水洗浄機の使用用途

温水洗浄機は、工場やホテルなどの屋内での使用や、工事現場といった屋外使用、さらに業務用や自家用と幅広く使用されています。

温水洗浄機の屋内での使用は、浴場を抱える旅館やホテル、共同浴場、厨房機器・換気装置の油汚れの洗浄、ゴムマットの洗浄、機械設備の洗浄などです。食品や水産物関連の工場でも温水洗浄機が使用されています。

温水洗浄機の屋外での使用は、自動車に関わる整備会社をはじめ、板金業者・運送会社・タクシーなどの業務用洗浄、ガソリンスタンドの洗車機やマット洗浄、鉄道車両・航空機・船舶の洗浄などです。また、クローラ走行車の洗浄などにも使用されます。

そのほか、移動可能な温水洗浄機は、屋外でビルの外壁洗浄、屋根の洗浄、仮設資材の洗浄、農業・畜産業をはじめ養鶏場などで使用されています。

温水洗浄機の原理

1. 温水洗浄の効果

温水洗浄機で使用する温水は、数々の効果があります。効果の1つは油汚れに対するものです。温水にすることで水の密度が下がり、常温の水よりも油分を溶解する能力が高まるためです。特に冬場は、油等も固まって除去しにくく、水では、きれいに汚れが落ちません。このような油脂含有の汚れでは、温水洗浄機を使うのが有効です。

除雪作業や車両や重機等頑固な油で汚れているものも、温水洗浄機ならすっきり洗えます。温水にすることで粘度が下がることも洗浄には好都合です。粘度の低下は、対象物の隙間などに入り込みやすくなるため洗浄効果が高まります。車の足回りなどに効果的です。

2. 温水洗浄の他の効果

温水は、油脂以外の鳥のふんや花粉による汚れにも効果があります。鳥のふんは、食物消化のため強めの胃酸が含まれており、付着したままにしておくと腐食の原因となり厄介です。温水を噴射することで除去しやすくなります。

花粉にはペクチンというたんぱく質が含まれ、温められることで凝固し流れやすくなります。このような温水の効果に加え、通常備わっている高圧による吐出力で汚れを吹き飛ばし洗浄効果を更に高めます。

また、温水洗浄機を除草用に使うことも可能です。熱湯を噴射して効果的な除草作業ができます。最大98℃の高温を維持可能なタイプは、除草に適しています。さらに、設備表面の除菌にも効果的です。

温水洗浄機の種類

温水洗浄機は、加熱源の種類から分類すると、電気加熱式、灯油・軽油加熱式、エンジン式などです。主に業務用途・産業用途のためエンジン式や200V電源の大型機種が主流です。100V電源で使用できる比較的コンパクトなタイプもあります。

1. 電気加熱式

電気加熱式温水洗浄機は、安全でクリーンなこと、効率的で省エネであること、燃料補給が不要なこと、軽量・コンパクト・低騒音であること、排気ガスを出さないことなどの長所があります。2種類あり、熱交換器を使用した瞬間加熱タイプと、温水タンクを有する貯湯タイプです。電熱ヒータを使用するため、比較的小型の洗浄機に使われます。

2. 灯油・軽油加熱式

灯油・軽油加熱式温水洗浄機は、灯油・軽油ボイラーを搭載しています。水道直結で水を加熱し、ポンプで加圧する方式であり、車輪付きが多く移動可能です。ボイラーは2重構造のため、熱が外部に逃げず、安全です。小型から大型まであります。

3. エンジン式

エンジン式温水洗浄機は、水を灯油・軽油ボイラーで加熱し、エンジン動力で加圧する方式です。電源のない所でも使用でき、自吸式ポンプを備えています。多くは高温スチーム洗浄も可能です。エンジンは、ガソリンやディーゼルタイプであり、排気ガス規制をクリアしています。バイオディーゼル対応のタイプもあり、環境を考慮しています。

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