銅ブスバー

銅ブスバーとは

銅ブスバー

銅ブスバーとは、電気機器の通電部に使用している銅材で、電気・熱の伝導性に優れているタフピッチ銅や無酸素銅で製作されています。

タフピッチ銅 (C1100) はCuの純度が99.9%以上の金属です。導電性、熱伝導性のほか、耐食性、加工性も優れています。内部に微量の酸素が含まれているため、高温では水素と反応して水素脆性が発生する可能性があります。

無酸素銅 (C1020) はタフピッチ銅に比べて酸素含有量が少なく、抵抗や歪みが少ないため、水素脆性が懸念される環境で使用する場合は無酸素銅を採用する場合があります。また、無酸素銅はガスの放出が少ないため、真空機器に広く利用されています。

銅ブスバーの使用用途

銅ブスバーは高圧で大きな電流を流すための導体として、配電盤をはじめ、電気自動車や電車の制御用回路など、さまざまな用途として利用されています。

銅ブスバーは丸形の導線と比較すると、導電率が良く、配線のスペースが少なくすむメリットがあります。また、端子をかしめる必要がなく、銅ブスバーに直接穴を空けるだけで、機器とボルト接合ができます。導線が太くなると、曲げRを考慮する必要がありますが、銅ブスバーにはその必要がありません。

銅ブスバーの特徴

銅ブスバーには電流値に応じて、最低断面積を決める必要があります。断面積は電流値を電流密度で割って算出します。
電流密度に関してはJISC8480で以下のように規定されています。

  • 125A以下:3.0以下
  • 125~250A以下:2.5以下
  • 250~400A以下:2.0以下
  • 400~600A以下:1.7以下

実際の断面積を設計する上では、材料の面取り及び成形を考慮して、電流密度増+5%を考慮して断面積を決めていきます。

また、銅ブスバーは機器に固定するために、ネジ穴を空けた箇所がありますが、その断面積が、ネジ穴のない断面積に対し1/2を超える場合は、ネジ穴部の断面積を計算で求めた断面積に合わせる必要はないとされています。

JIS H 3140には銅ブスバーの参考代表寸法が記載され、厚さは2.0mmから30mmまで、幅は300mm以下、長さは5000mm以下となります。

また、ブスバーは銅の他にアルミ製を使う場合があります。アルミ製は銅製に対して引張強さや導電性は低下しますが、価格が安いため、原価低減の案として検討する場合があります。反面、アルミ製は導電性が低くなりますので、銅のブスバーよりも導体の体積を広くしなければなりません。

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