圧着コネクタ

圧着コネクタとは

圧着コネクタ

圧着コネクタとは、電線などの導体同士やプリント基板などを接続するために使用される部品です。

端子とコネクタハウジングから構成され、導体を挟み込むように圧着で導体との接続を実現します。圧着接続は、はんだ付けに比べて作業時間が短く、接続の信頼性も高いです。また、導体同士を機械的に接続するため、振動・衝撃に強く、高温環境でも使用できるなどの特徴があります。

代表的な圧着コネクタとして、端子台型の圧着端子、複数の電線をまとめて接続できるスプライス圧着端子、プリント基板との接続に使用するコネクタなどがあります。適用する電線の太さや用途に合わせて、様々な種類の圧着コネクタが存在しています。

圧着コネクタの使用用途

圧着コネクタは、その堅牢さと圧着の高速性により、多様な産業分野でのアプリケーションに採用されています。以下、主要な使用事例を紹介します。

1. 自動車産業

最新の自動車は、センサーや制御ユニットなど、電子デバイスが豊富に搭載されています。これらのデバイス間での確実な電気的接続が要求される中、圧着コネクタはその信頼性と耐久性から選ばれています。

2. 家電製品

洗濯機や冷蔵庫、テレビなどの家電製品内部でも、電子部品間の接続に圧着コネクタが使用されています。特に生産効率の追求される家電の組み立てラインでは、高速な接続が可能な圧着技術が重宝されます。

3. 通信機器

ルーターやスイッチ、サーバーなどの通信機器内部での配線接続にも、圧着コネクタが採用されています。高い信号伝送性能と堅牢さが求められるこの分野で、圧着接続のメリットが生かされています。

4. 産業機器

ロボットや生産ラインの制御装置など、産業機器の内部でも圧着コネクタは頻繁に使用されます。特に機器の長時間稼働や過酷な環境下での動作が求められる場面で、その耐久性が評価されています。

5. エネルギー関連

太陽光発電システムや風力発電機などの再生可能エネルギー関連設備でも、圧着コネクタの信頼性や耐久性が活かされています。

6. 医療機器

複雑な電子回路やセンサーが組み込まれる医療機器でも、確実な電気接続が求められる中で、圧着コネクタが採用される事例が増えています。

圧着コネクタの原理

圧着コネクタの原理は、はんだ付けや溶接などとは違い電線と端子間の金属原子同士の特定の結合を持つものではありません。圧着コネクタでは、電線の銅の撚り線と黄銅端子を常温環境下で瞬時に高い圧力をかけます。

この高圧力の結果、より線と端子が塑性変形を起こし、物理的に結合されます。この時点での接合面は金属原子間の特定の結合を持たず、純粋に機械的な接触を持っているだけです。

それにもかかわらず、この圧着部では、弾性変形の原理に基づいた反発力が発生し、この反発力がより線と端子の間で効果を発揮します。この反発力により、接触抵抗が安定して保たれるだけでなく、圧着の強度も増強される特性を持っています。

圧着コネクタの種類

圧着コネクタは、信号や電力を安全かつ確実に伝送するための重要な役割を果たしています。そのため、特定の用途や条件に合わせて、様々な形状や特性を持つ圧着端子が開発されています。

1. 丸形圧着端子

丸形圧着端子は、その名の通り円形の断面を持ち、ボルトやナットへの取り付けに適しています。電線をしっかりと保持し、良好な電気的接触を確保が可能です。多くの場合、ボルトやスクリューとともに使用されることが一般的です。

2. Y型圧着端子

Y型の端子は、特徴的な「Y」の形状をしており、接続部分が分岐しています。この構造は、ネジを外さずに取り外しができる容易さを提供します。

3. 棒型圧着端子

棒型圧着端子は、直線的な形状を持つ端子で、主に挿入や差し込み式の接続に使用されます。

4. 絶縁被覆付き圧着端子

絶縁被覆付き圧着端子は、端子の接続部分に絶縁材料が付加されています。この絶縁被覆は、外部の環境要因からの保護やショートの防止、さらには操作者の安全を確保するためのものです。

絶縁被覆は、多くの場合、色分けされており、電線のサイズや用途に応じて適切な端子を選択するのを助けます。

参考文献
https://fumimaker.net/entry/2019/06/16/220408

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