プラズマ装置

プラズマ装置とは

プラズマ装置とは、素材の表面に対してプラズマを照射し、洗浄や殺菌、コーティングなどの作業を行う高性能な装置のことです。

プラズマは、気体にエネルギーを与えることで生成される荷電粒子を含んだ特殊な気体状態で、分子との反応性が非常に高いことが特徴です。プラズマ装置は、使用する気体の種類やプラズマ生成方法によって効果が異なります。

例えば、酸素や窒素などの気体をプラズマ化させることで、素材表面の洗浄や殺菌効果が得られます。一方、シリコンやフッ素などの気体をプラズマ化させることで、素材表面にコーティング層を形成可能です。

プラズマ装置の使用を検討する際には、目的や用途に適した装置を選定することが大切です。例えば、医療機器や食品加工業界では、洗浄や殺菌を重視し、耐摩耗性や耐薬品性が求められる分野では、コーティング性能を重視することが求められます。

プラズマ装置の使用用途

プラズマ装置は、高いエネルギーと反応性を持つプラズマを活用し、多様な産業分野で使用されています。使用用途は幅広く、高度な技術が求められる領域から環境や衛生面に至るまで、さまざまな場面で役立っている装置です。

特に半導体集積回路などの精密機器部品製造現場では、プラズマ装置の洗浄や被膜形成、エッチング能力が重宝されています。そのため、素早くかつ高品質な製品が生産され、先端技術の発展に寄与しています。

また、プラズマ装置は産業廃棄物の無害化にも使用可能です。有害物質を分解し、環境への影響を最小限に抑えることが可能です。さらに、食品や薬品の消毒や殺菌にも利用され、安全性の向上に貢献しています。

プラズマ装置の原理

物質は温度が上昇すると、固体から液体、液体から気体と状態が変化していきます。気体の温度が上昇すると、原子中の電子が離れて正イオンと電子に分かれます。この現象を電離と呼び、電離よって生じた高エネルギー状態の気体がプラズマです。

プラズマ装置の種類は、大気圧プラズマ装置と低圧プラズマ装置の2つに大別されます。

1. 大気圧プラズマ装置

大気圧プラズマ装置はその名の通り、大気圧下でプラズマを発生させる装置です。高電圧をかけた電極に希ガスや酸素を通過させることでプラズマを発生させます。

真空環境が不要で、低圧プラズマよりもイオン密度が高いのが特徴です。しかし、極力対象物を照射位置に近づける必要があるのがデメリットです。

2. 低圧プラズマ装置

低圧プラズマ装置は、真空環境下にてプラズマを発生させる装置です。使用は真空環境に限定されますが、ガスを必要としません。また、対象物から装置をある程度離しても照射可能なので、装置の設置場所に悩むことがなくなります。

プラズマ装置のその他情報

プラズマ装置と併用する機械

プラズマ技術は主に真空チャンバー、電極装置、ガス供給装置と併用して使用します。

1. 真空チャンバー
プラズマ処理の多くは、真空チャンバー内で行われます。真空チャンバーは、外部の気体を遮断し、内部で特定のガスを充填することで、プラズマ生成に適した環境を整えます。

真空チャンバー内で生成されたプラズマは、洗浄、エッチング、コーティングなどの処理に使用可能です。

2. 電極装置
プラズマは、ガスに電磁波や電場を与えることで生成されます。そのため、プラズマ装置と併用される電極装置が重要な役割を担っています。

電極装置は、ガスに適切なエネルギーを供給し、プラズマ化を促進します。電極装置の形状や配置は、生成するプラズマの特性や処理方法に影響を与えるため、適切な選定が重要です。

3. ガス供給装置
プラズマ装置では、さまざまなガスが使用されます。ガス供給装置は、真空チャンバー内に必要なガスを適切な流量と圧力で供給します。ガスの種類や供給量によって、プラズマの性質や反応速度が変わるため、ガス供給装置の精度がプラズマ処理の品質に直結します。

参考文献
https://www.plasma-laboratory.com/plasma/
https://www.technoalpha.co.jp/products/board/diener.html

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