エアブリーザ

エアブリーザとは

エアブリーザとは、油タンクの内圧を保ちつつ外部の塵を除去する機器です。

エアブリーザは英語で「Air Breather」と表記され、日本語訳して空気呼吸器とも呼ばれます。主にリザーバータンクや作動油タンクなどの油入タンク上部に設置される油圧機器の1種です。

外部からの粉塵を除去するために、フィルタが内蔵されています。また、キャップの素材としては、合金や樹脂など耐久力などに優れたものが採用されています。キャップは蝶ねじでの取り外しが可能で、保守が容易なように構造が簡単な製品が多いです。

エアブリーザの使用用途

エアブリーザは、主に産業用途に使用される機器です。産業装置の中でも油を内蔵するタンクなどに使用されます。以下は、エアブリーザの使用用途一例です。

  • 発電機や油入変圧器などの電気設備
  • 油循環する大型減速機
  • 油圧ユニットにおける油圧タンク

上記の通り、大容量の油を内蔵するタンクや機器に使用されます。高圧以上の電圧を取り扱う発電機や油入変圧器は、内部巻線絶縁のために絶縁油を内蔵します。電気設備の絶縁油は、水分の混入も絶縁劣化の原因となるため、吸湿用のシリカゲルも内封されている場合があります。

また、大型減速機などは大容量の油を内蔵し、ギア同士の潤滑に使用するのが一般的です。回転運動によって潤滑油の温度が徐々に高くなるため、熱交換器などを介して冷却する場合があります。このように、エアブリーザは工作機械や発電・変電などの幅広い分野で使用されます。

エアブリーザの原理

エアブリーザは、作動油タンクやリザーバータンクなどの上部に取付けられます。油入タンク内の油体積は温度変化などによって膨張・収縮するため、密閉するとタンクの変形や抜出ポンプの破損に繋がります。したがって、タンク内部の圧力を一定に保持するために開口を付けて吸排気させるのが一般的です。

ただし、外気をそのまま導入すると油入タンクに粉塵などが吸い込まれていきます。粉塵による油の劣化や周辺機器破損を防止するため、開口部にはエアブリーザを取り付けてフィルタリングします。これによって、空気の吸気時に外気中の埃や異物を除去してします。

エアブリーザは主にフィルタエレメント、蓋、本体などで構成されます。フィルタエレメントは外気の粉塵・異物をフィルタリングする部品です。ろ紙や金属網が使用されます。

本体や蓋はエアブリーザをタンクに取り付けつつ、外気をフィルタエレメントへ誘導する役割を果たす部品です。取付方法はねじ込み式が一般的です。材質は金属や硬質樹脂などの堅牢な物質で、内部のゴムパッキンなどでフィルタエレメントを固定します。

エアブリーザの選び方

エアブリーザは、取付方式・取付径、空気流量、材質などを基に選定します。

1. 取付方式

取付方式は、ねじ込み式の製品が一般的です。フランジ取付にしたい場合などは、呼出付フランジなどを製作することで可能となります。取付径はエアブリーザの取り付けるねじ径で、開口ねじ寸法に合わせて選定します。

2. 空気流量

空気流量は、エアブリーザが許容する通気可能量です。製品によって通気可能量が決まっています。予想される通気量よりも大きい許容値の製品を選定します。

3. 材質

材質は本体やフィルタエレメントの材質です。フィルタエレメントは材質や目の粗さで分離する粉塵粗さが決まるため、必要なフィルタ能力の製品を選定します。本体やフィルタの材質は許容温度にも直結するので、使用温度が高い場合は金属製品などが望ましいです。

エアブリーザのその他情報

エアブリーザの洗浄

エアブリーザのエレメントを洗浄せず使用すると、汚れてしまい目詰まりを起こします。その結果、タンクが密閉されて内圧上昇し、油入タンクの損傷に直結します。

また、タンクの内圧が大気圧よりも低くなると、油中に空気が過剰に流入して気泡が発生する原因にもなる可能性が高いです。油中の気泡が抜出ポンプ内部に流入すると、キャビテーションによりポンプを破損させる原因となります。ポンプ損傷によって破片などが油に混入した場合、各油圧機器の作動不良を引き起こす原因となります。

そのため、エアブリーザーのフィルタエレメントやキャップなどの定期洗浄または定期交換などのメンテナンスは非常に重要です。

参考文献
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