ネットワークハブとは
ネットワークハブとは、コンピュータネットワークに複数のデバイスを接続し、相互間のデータ通信を中継する機能を持つ装置です。
リピータハブとスイッチングハブの2種類が存在しますが、現代のネットワーク環境においては、主にスイッチングハブが利用されています。
リピータハブは、受信した電気信号を単純に増幅し、接続されている全てのポートに送信します。そのためネットワーク全体のトラフィックが増加し、通信効率が低下することが欠点です。一方スイッチングハブは、MACアドレスと呼ばれる各デバイス固有の識別子を基にデータ送信先を判断します。必要なデバイスにのみデータが送信されるため、通信効率が大幅に向上し、ネットワーク全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。
ネットワークハブは、LAN (ローカルエリアネットワーク) を構築する上で必要です。家庭やオフィスなど複数のコンピュータや周辺機器を接続し、ファイル共有、プリンタ共有、インターネット接続の共有などを実現します。ハブのポート数によって接続できるデバイスの数が決まるため、ネットワークの規模に応じて適切なハブを選ぶことが大切です。
ネットワークハブの使用用途
ネットワークハブの使用用途として、小規模ネットワークの構築、ネットワークの拡張、ネットワークデバイスの集約、通信速度の向上の4つを解説します。
1. 小規模ネットワークの構築
家庭や小規模オフィスにおいて、複数のコンピュータ、プリンタ、ネットワークストレージ (NAS) などを相互に接続し、データ共有や周辺機器の共有を実現します。
2. ネットワークの拡張
既存のネットワークに新たなデバイスを追加する際に、ハブを利用することで容易にポート数を増やし、ネットワークを拡張できます。
3. ネットワークデバイスの集約
ルーターやスイッチなどのネットワーク機器をハブに接続することで、ネットワーク構成を整理し、管理を容易にします。複数の機器が1箇所に集約されることで、配線がシンプルになり、トラブルシューティングも容易になります。
4. 通信速度の向上
スイッチングハブを使用する場合、データ送信先をMACアドレスで識別するため、不要なトラフィックが発生せず、通信速度の向上が期待できます。リピータハブと比較して、ネットワーク全体のパフォーマンスを大幅に改善できるため、近年のネットワーク環境ではスイッチングハブが主流となっています。