ケーブルガイド

ケーブルガイドとは

ケーブルガイドとは、電子機器や産業機械など可動部を持つ装置において、電源ケーブルや制御ケーブル、信号ケーブルなどを安全に保護し、円滑に動作させるための製品です。

ケーブルガイドは一般的にケーブルキャリア、ケーブルベア、エネルギーチェーンなどとも呼ばれ、その形状や材質は多岐にわたります。ただし目的は共通で、可動部に追従してケーブルを整然と配置し、屈曲や捻じれ、摩擦、外部からの衝撃などからケーブルを保護することです。

ケーブルガイドの内部にはケーブルを収納するための空間が設けられており、ケーブルは互いに干渉することなく、個別にあるいは束ねられた状態で配置されます。また、ケーブルガイドは可動部の動きに合わせてスムーズに屈曲・伸長するように設計されており、ケーブルに過度な負荷がかかるのを防ぎます。

ケーブルガイドの素材には主に樹脂製と金属製があり、使用環境や用途に応じて適した製品を選ぶことが重要です。樹脂製は軽量で柔軟性に富み、比較的低コストであるため、一般的な産業機械やオフィス機器などに広く採用されています。一方、金属製は耐久性や耐熱性に優れており、高温環境や重量物の搬送など過酷な条件下での使用に適しています。

ケーブルガイドの使用用途

ケーブルガイドの使用用途として、ロボット産業におけるケーブル保護、半導体製造装置におけるクリーンな環境維持、工作機械における高精度な動作の実現、医療機器における安全性と信頼性の確保の4つを解説します。

1. ロボット産業におけるケーブル保護

産業用ロボットは、多関節構造を持ち複雑な動作を行うため、ケーブルへの負荷は非常に大きくなります。ケーブルガイドはロボットアームの各関節部に沿って配置され、ケーブルの屈曲や捻じれを制御し、断線や損傷を防ぐことが可能です。

2. 半導体製造装置におけるクリーンな環境維持

半導体製造装置は極めてクリーンな環境下での動作が求められます。ケーブルガイドはケーブルから発生する粉塵を最小限に抑える構造を持ち、クリーンルーム内の清浄度を維持を実現します。

3. 工作機械における高精度な動作の実現

マシニングセンタやNC旋盤などの工作機械は、金属などを高精度に加工するため、ケーブルの正確な位置決めと保護が必要です。ケーブルガイドは工作機械の可動部に沿って配置され、ケーブルの振動や揺れを抑制し、加工精度への影響を最小限に抑えます。

4. 医療機器における安全性と信頼性の確保

MRIやCTスキャナなどの医療機器は、人命に関わるため高い安全性と信頼性が求められます。ケーブルガイドは、医療機器の可動部においてケーブルの断線やショートを防ぎ、誤作動のリスクを低減します。