小ねじとは
小ねじとは、機械部品や構造物を締結するために用いられるねじです。
JIS規格では、呼び径 (ねじ部の直径) が8mm以下のものが規格化されていますが、流通している製品には8mm以上のものも存在します。一般的に「ビス」と呼ばれることもありますが、厳密には小ねじとは異なる種類のねじを指す場合もあります。
小ねじはその名の通り比較的小さなねじであり、頭部を持つおねじであることが特徴です。めねじが切られた部材に直接ねじ込んだり、ナットと組み合わせて使用したりすることで、部材同士を固定します。頭部の形状、ねじ山の種類、材質、表面処理など多種多様な製品が存在し、用途や使用環境に応じて適切なものを選ぶことが重要です。
寸法表記においては、呼び径 (ねじ部の直径) と呼び長さ (ねじ部の長さ) が用いられます。呼び長さの表記方法は頭部形状によって異なり、例えばなべ小ねじの場合は頭部の座面からねじ部先端までの長さ (首下長さ) を、皿小ねじの場合は頭部上端からねじ部先端までの全長を表します。
小ねじの使用用途
小ねじの使用用途として、主に電子機器・精密機器、自動車・二輪車、建築・住宅設備の3つを解説します。
1. 電子機器・精密機器
スマートフォン、パソコン、カメラなどの電子機器や精密機器の内部構造の固定に、小ねじは不可欠です。小型化・軽量化が進む電子機器・精密機器においては、小さなスペースで確実に部品を固定できる小ねじが活用されます。特に、精密な位置決めが必要な箇所や振動や衝撃が加わる箇所には、緩み止め効果のある特殊な小ねじが用いられることもあります。
2. 自動車・二輪車
自動車や二輪車の内装部品、外装部品、エンジンルーム内の部品など、さまざまな箇所で小ねじが使用されています。車体の振動や温度変化に耐えうる強度や耐久性が求められるため、材質や表面処理が工夫された小ねじが選ばれます。
3. 建築・住宅設備
住宅の建具、家具、照明器具、配電盤など、建築や住宅設備においても小ねじは欠かせません。木材、金属、樹脂などさまざまな素材を締結するために、材質や頭部形状が異なる小ねじが使い分けられます。