コンクリート防水

コンクリート防水とは

コンクリート防水とは、長期的にコンクリート構造物を利用するために防水対策を行うことです。

空気中の二酸化炭素や酸性雨により劣化が進むと、内部の鉄筋が錆びて腐食します。膨張圧によりひび割れを起こし、強度が低下して漏水します。コンクリートは耐水材料ですが、防水性能はありません。被害を抑えて長期的に構造物を維持するためにも、地下や屋根、貯水槽やプールなどにコンクリート防水加工を施します。

大型施設や住宅などを新しく建設するときに、長期間利用できる設計が重要です。インフラ長寿命化計画やSDGs (英: Sustainable Development Goals) に基づいて人々のライフサイクルの延長を考慮し、中長期的な視点から施設の機能を最大限に活用してコストを抑えることが必要です。コンクリートは成形の自由度が高く、強度や耐久性が高いため、一戸建て住宅からマンションまで幅広く主要な建材として利用されます。

コンクリート防水の使用用途

コンクリート防水の使用目的は次の通りです。

1. 躯体防水

躯体防水は防水性を与えるため、コンクリートを改良する方法です。防水機能を持つ薬剤を生コンクリートと混合し、水和反応によりコンクリートを改良します。セメント分子が結合する密度が上昇すると高水密性の防水コンクリートが得られます。

2. メンブレン防水

メンブレン工法は水分を浸透させないために防水性のある被膜を使ってコンクリートを覆う方法です。被覆工法とも呼ばれ、不透水シートや防水シートをコンクリートの屋上に被せます。塩ビシート、ウレタン、アスファルトなどを使用可能です。

塩ビシート防水は工場で作られた防水シートを加工後にコンクリートの防水箇所に置くと均一な防水効果が期待できます。ウレタン防水は防水材を塗布し、複雑な形状でも施工可能です。アスファルトのルーフィング層を何層も重ねて防水の層を作成し、熱工法、常温工法、トーチ工法の3種類に分類できます。