避難滑り台とは
避難滑り台とは、建物や施設から迅速かつ安全に避難するために設計された緊急避難装置の一つです。
避難滑り台は、主に高層建築物や大型施設に設置され、火災や地震などの緊急時の避難に用いられる装置です。緊急時に高層建築物から避難するための設備には、いくつかの種類があります。最も簡易的な構造のものに、避難ロープ装置があります。ロープを梯子状にしたもので、普段はコンパクトに収納できるのは大きなメリットです。しかし、一般的に一つ下の階へ移動するもので、また幼児や高齢者、両手両足に不自由がある方には適していません。
常設される避難滑り台は、金属や強化プラスチックなどの耐久性の高い素材で作られており、安定した滑降が可能な構造になっているのが特徴です。直線型やらせん型など、設置環境に応じたさまざまな種類があり、使用者が安全に避難できるよう設計されています。
避難滑り台には、大きく直線型とらせん型があります。直線型は構造がシンプルですが、真下に降下することはできません。地上部分においては固定も必要です。らせん型は構造はやや複雑になりますが、真下に降下することができます。旋回しながら降下するため、降下速度が適度に抑えられるのも、利用者の不安を抑えることに繋がります。
避難滑り台の使用用途
避難滑り台は、さまざまなシーンで利用されます。主に以下のような用途が考えられます。
火災時の緊急避難
火災が発生した際、階段やエレベーターが使用できない場合の代替手段として機能します。煙や炎を避けながら、階段やエレベーターよりも素早く建物の外へ避難することが可能です。
地震時の避難
建物の揺れが激しい場合、階段を使用するのが危険なことがあります。避難滑り台ならば、比較的安全に外へ脱出することが可能です。
幼児・高齢者の安全な避難
階段の使用が困難な幼児や高齢者も、安全に避難できます。介助者がいなくても、重力を利用して移動できるため、幼児や高齢者の避難手段として大変有効です。
公共施設や学校での防災対策
学校や児童施設では、災害発生時の迅速な避難手段として導入されることがあります。災害はいつ発生するのか予測をすることが困難です。防災訓練の一環として、使用方法を学ぶ機会を設けることは、防災・減災教育の上でも大変貴重な経験になります。