簡易金型

簡易金型とは

簡易金型とは、直接成形材料が触れる型部に加工しやすいアルミ素材を用いた型を挿入するカセット方式の金型です。

鋼材の金型よりも製作コストが低く、完成に必要な期間も短いです。金型の外周部を構成する部分をモールドベースと言います。簡易金型の製作ではモールドベースを製作しません。すでにあるモールドベースを利用し、結果的にスピード向上やコスト削減を実現可能です。

アルミ合金製や電鋳、コンクリートや強化樹脂の金型があります。アルミ素材は鋼材と比較して少ない工数で加工でき、コスト削減とスピード向上に繋がります。強化樹脂、ビスマス合金、亜鉛合金、高強度セメントによるコンクリートは実用可能な強度を持つ鋭利なカド部は作れず、カド部のみは鋼製の入れ子が必要です。

簡易金型の使用用途

簡易金型を使った射出成型は金型に少し費用をかけて、ランニングコストを少し安く作る手法です。簡易金型の種類により様々な方法があります。射出成形機で製品を作成するため、多くの熱可塑性の素材が使えます。簡易金型の使用目的は以下の通りです。

1. 優れた耐圧性と強度

シルコーン金型は価格が安いです。初期費用が安く、少量量産に適しています。ランニングコストが必要なため、数量が多い場合には簡易金型を用いた射出成形法が有用です。素材は反応型のウレタン樹脂やエポキシ樹脂などの液状樹脂に限定されます。

2. カセット型

金型の周りにあるモールドベースを共通化し、中身のみをカセット式に変換した方式です。最初に母型を作れば次からのコストが下がります。

3. モールドレス成型

カセット型を簡略化して母型駒とエジェクタピン以外の全てを共通化させます。エジェクタプレートに多数の穴を開けて共用し、ピンの径や位置に制限があり、金型を分解せずに駒交換が可能です。

4. ZAS型

低温で溶ける合金を木型のマスターの周りに流し込み、メス型を作って金型とする方法です。