42アロイとは
42アロイは、低膨張特性を持つ、鉄 (Fe) とニッケル (Ni) を約42%の割合で含む合金です。
熱膨張率が低いため温度変化の影響を受けにくく、寸法安定性に非常に優れています。この特性を活かし、半導体パッケージや電子部品、航空宇宙分野の精密部品などに広く使用されています。
42アロイはガラスやセラミックとの封着性が高く、異なる素材を組み合わせた部品の製造にも適しています。特に電子管や真空管の封着材として用いられることが多いです。耐食性に優れていること、温度変化による寸法変動が抑えられること、高い強度を融資ていることから長期間の使用にも耐えられる素材として評価されています。加工性にも優れていて、精密加工が求められる部品にも対応可能です。産業機器や電子機器の分野で重要な材料として信頼を集め、多くのメーカーが採用しています。
42アロイの使用用途
42アロイはその低膨張特性や優れた耐食性を活かし、多様な用途で使用されています。以下はその一例です。
1. 電子部品
42アロイは半導体パッケージや半導体リードフレーム (半導体チップを固定して配線接続するパーツ) 、各種センサーのケース材料として利用されます。温度変化による形状変化が少ないため、高精度が求められる電子機器に適しています。また、スマートフォンや通信機器にも組み込まれています。
2. 封着材
42アロイは硬質ガラスに近い熱膨張係数のためガラスやセラミックなどの異なる素材との封着に適しており、電子管や真空管の封着材として活用されます。異素材との膨張率の差を吸収し、接合部の耐久性を向上させる役割を果たします。特に高温など温度による影響が大きい環境下での安定性が求められる場面で重宝されています。
3. ジュメット線の芯線
ジュメット線とは、ニッケル合金を使用した特殊な電線で、芯線部分に42アロイが用いられることがあります。耐熱性や耐酸化性に優れ、高温環境でも安定した性能を発揮します。そのため、医療機器や高精度電子機器などにも採用されています。